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ついなの差し出してきた鬼のお面を見て、改めてついなを見る。
竜が鬼のお面を受け取ってくれないことで不安になってしまったのか、ついなはほんの少しだが泣きそうな表情になってしまっていた。
「えっと、さすがにこのサイズを持ち歩くのは目立つし不便なんだが・・・・・・」
「う・・・・・・」
竜の言葉についなはソッと目を逸らす。
どうやらついな自身もサイズ的に大きいかもしれないとは思っていたようだ。
目を逸らしながらついなは差し出していた鬼のお面を自身の顔にあてて顔を隠してしまった。
「で、でも、もしも万が一のことがあったらこのお面を目印にしてすぐにうちが駆けつけることができるんやで・・・・・・?」
「それは、まぁ、心強いんだが・・・・・・。やっぱりサイズがなぁ・・・・・・」
それでも竜に鬼のお面を持ってほしいのか、ついなは鬼のお面を持ち歩いた場合の利点を竜に伝える。
まぁ、そもそもとして霊、というよりも九十九神としての力がそこまで強くないついなが駆けつけて何ができるのかが疑問なところだが。
ついなの九十九神としての力がそれほど強くないことはついな自身から聞いていて知っているのだが、それをわざわざ指摘するほど竜は空気が読めないわけではないので、やや濁し気味に答えた。
「サイズ・・・・・・、サイズかぁ・・・・・・」
竜の言葉についなはジッと自身の本体である鬼のお面を見る。
そして、何を思ったのかいきなり鬼のお面に力を入れ始めた。
竜はついなの突然の行動に驚き、慌ててついなの動きを止める。
「ちょいちょいちょい?!なにをしてるんだ?!」
「これを・・・・・・!押し潰せば・・・・・・!小さく・・・・・・!」
「ならないからな?!ただ壊れるだけだからな?!」
どうやらついなは鬼のお面を潰して小さくしようという発想に至ったらしく、竜に拘束されながらもどうにか鬼のお面を押し潰そうともがいていた。
大きさの問題を解決するのに物理的な手法を取ってしまう辺り、九十九神としての年期がまだまだなことの証明だろう。
「せやかてここでこれを小さくできな、ご主人のことを守れないやん!」
「だとしてもそれを潰したらついなが危ないだろう?!」
もがくついなをどうにか宥めながら竜はついなの手から鬼のお面を取り上げる。
その際についなのいわゆる女の子の部分に触れてしまったりもしていたのだが、2人とも冷静さを欠いていたのでその事に気づくことはなかった。
竜に鬼のお面を取られてしまい、ついなはしょんぼりとしつつもどこか嬉しそうにしている。
おそらくは小さく潰そうとしたことを防がれてしまったことの落ち込みと、所有者である竜に持ってもらったことによる九十九神としての喜びが入り交じった結果だろう。
不意に竜の手から淡い光が発せられ、鬼のお面に流れ込んでいく。
「あえ?!な、なんやこれっ?!」
「これは・・・・・・、霊力の移動?」
いきなりのことについなは自身の体に起こっている変化に戸惑い声を上げる。
ついなの様子も気になるところだが、竜は自身の手の光り方がついなが霊力を吸っているときの光と似ていることに気がついた。
やがて、光が全て鬼のお面に流れ込むと、鬼のお面は一際強い光を発した。
「うお、まぶしっ・・・・・・」
強い光に竜は思わず手で光を遮る。
強い光が起きたのは数秒ほどで、光が収まったのを確認した竜は手をどかして鬼のお面を確認した。
「・・・・・・なんか小さくなってる」
「おー!これなら持ち歩いても邪魔にならんやん!」
光が収まり、竜が手に持っていた鬼のお面を確認すると、鬼のお面の大きさがかなり小さいものに変化していた。
急な鬼のお面の大きさの変化に竜は戸惑い、ついなは嬉しそうに笑うのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ