変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第186話

 

 

 

 

 茜と葵の言うノイズとやらがまったく分からないまま竜はゲームを進めていく。

 竜がアイテムの整理や装備の調整をしていると、茜も同じように準備を始めた。

 茜と葵は1つのキャラクターを2人で操作しており、それぞれ好きなクラスが違っているので、それぞれのクラス用に装備を変える必要があるのだ。

 

 

『っし、準備万端や。ガンガン殴りにいくでー!』

「とりあえずはオススメの消化からだな」

 

 

 竜と茜はそれぞれ準備を終え、キャンプシップに移動する。

 竜が今回使うクラスは様々なペットを操って敵を倒していくサモナーと呼ばれるクラスで、茜は打撃、射撃、法擊の3種類の攻撃を使いこなすヒーローと呼ばれるクラスだ。

 

 竜の扱うクラス、サモナーはペットを操る関係上、フィールドの端ややや離れた位置で武器を振っていることが多く。

 そのため他のプレイヤーからはサボっていたりするように見られたりすることが多い。

 しかし、実際にはまともに戦うためには普通に武器を強化するよりも手間がかかり、ペットの強化には専用のアイテムを手に入れる必要があったりと普通に戦っているクラスよりもよっぽど戦えるようになるまでには時間のかかるクラスである。

 これに納得ができない人はどのペットでも良いから1匹をレベル最大にした上でキャンディーボックスを完全解放してまともに戦えるように組んでみてほしい。

 そしてその後、ペットの体力や要求などを見ながら戦ってみればサモナーの苦労が少しは分かるだろう。

 

 次に茜の扱うクラス、ヒーローは近接攻撃のソード、射撃攻撃のツインマシンガン、魔法攻撃のタリスを使い分けて戦う万能クラス、他のゲームで言う勇者などのような立ち位置のクラスだ。

 

  とくにヒーローの特徴としては攻撃をしながら武器を持ち換えることができる点が挙げられる。

 他のクラスで武器を持ち換える場合はいちいち操作して変更をする必要があるのだが、ヒーローの場合は対応する攻撃を発動した後にそのままボタンを長押しをすれば対応する武器に持ち換えることができるのだ。

 そのため、ヒーローのクラスを使うのであれば3種類の武器を満遍なく強化した方が状況に応じて戦えるので、ヒーローとしての強みをとくに生かせるのではないだろうか。

 まぁ、1つの武器が使いやすくて持ち換える気がないのであれば無理に強化する必要はないのだが。

 

 

「お、茜はチェーンソーの武器迷彩ゲットしたのか」

「みゅい!」

 

 

 茜の背負っている武器の見た目が大きなチェーンソーの剣になっていることに気づいた竜はポツリと呟く。

 竜の言葉にみゅかりさんはガバリと顔を上げ、ジッと茜の背負っている武器を見た。

 どうやらみゅかりさんはチェーンソーやそれに似た武器が好みのようで、そういった武器がゲームで出ると嬉しそうにその武器を見ているのだ。

 

 

『ふふーん、竜が持っとるのを見て欲しくなってなー』

『そのせいでもともと欲しかったやつを買うのが遠のいたけどね』

 

 

 竜の言葉に茜は得意気にくるくると自身の操作するキャラクターを回転させる。

 茜の動きからその武器迷彩をかなり気に入っていることがうかがえた。

 

 

『そういえば今日は竜のキャラクターは海賊風の格好なんやね』

『ちょっと前は和服に垂れた猫耳の格好だったよね』

「PSO2は俺は着せ替えゲーだと思ってるからな」

 

 

 自身の横でフワフワと浮かんでいる“兎田”と名付けられているメロンという種類のペットを眺めながら竜は2人の言葉に答えた。

 ちなみに竜のキャラクターはクエストが始まった瞬間にカットインと共に「AHOY(アホーイ)!」と叫んでいたりする。

 

 

『たしかに衣装やアクセサリーは多いんやけど・・・・・・、めんどうやない?』

『ボクも衣装ぐらいで充分かな』

「いやいや、アクセサリーの位置とか大きさを変えられるのが楽しいんだろ。同じアクセサリーでも手を加えるだけでかなり変わるんだからな」

 

 

 2人の衣装だけで充分という言葉を竜は首を振りながら否定する。

 竜はアクセサリーの位置などを微調整したりすることにこだわるタイプなので、そういったことができるPSO2をかなり楽しんでいた。

 

 そして、竜は“兎田”から“佩克拉”と名付けられているマロンという種類のペットへと入れかえてフィールドを進んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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