変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第187話

 

 

 

 

 竜が茜とPSO2をプレイしている様子をみゅかりさんは竜の膝に乗りながら見る。

 遠隔対多数攻撃を得意とする“桐生”と名付けられているレドランという種類のペットを操り、敵の数が減れば“兎田”と“佩克拉”による【メロン(兎田)/マロン(佩克拉)ストライク】という名の自爆特効が叩き込まれる光景は動物愛護的に考えればどう考えても虐待のワンシーンにしか見えなかった。

 

 そんなペット虐待の戦い方をしている竜とは対照的に、茜は敵の攻撃を回避してからの反撃というカウンターを主体とした堅実な立ち回りをしていた。

 ヒーローのクラスの特徴として攻撃後の武器の持ち替えは説明したが、ヒーローにはもう1つ意識して使えればかなり強力な攻撃となる要素がある。

 それが敵の攻撃をステップで回避して即座に反撃するカウンター攻撃だ。

 ヒーローの通常攻撃は他のクラスの必殺技と同じくらいの火力があり、カウンター攻撃で繰り出すことでさらに火力を高めることが可能となるので、敵が攻撃の予兆を見せたら積極的に狙っていくと良いだろう。

 

 ちなみに、ヒーロー以外にもファントムやエトワールも通常攻撃が他のクラスの必殺技とほとんど同じくらいの威力になっており、ファントムならカウンターで複数の光弾を放つことができ、エトワールならばガードやパリィなどを使ってダメージを減らすことができたりする。

 

 

「っし、とりあえず殲滅完了だな」

『竜の連れとる“桐生”はホンマに強いなぁ・・・・・・』

 

 

 残っていた数体の敵を“桐生”の放った光弾で一掃し、竜と茜は一息をつく。

 しばらく待ってみても敵が湧かないことからしばらくは安全だろう。

 

 

「みゅみゅみゅーみゅ」

 

 

 竜と茜が敵を殲滅したのを見て、みゅかりさんは楽しそうに前足を使って拍手をする。

 嬉しそうにしているみゅかりさんの様子に竜は少しだけ気分がよくなり、ワシャワシャとみゅかりさんの頭を撫でた。

 竜に頭を撫でられ、みゅかりさんは気持ち良さそうに目を細める。

 

 

「みゅーい」

『クリアランクをSにするための戦闘はこんなもんで充分やったっけ?』

『たぶん大丈夫だと思うよ』

『そんならもうさっさと最深部に向かっても良さそうやな』

 

 

 竜がみゅかりさんを撫でていると、茜が確認するように葵に聞いた。

 クリアランクとは受注したクエストをクリアしたさいに表示されるランクのことで、このランクがSかAであれば報酬としてアイテムをもらうことができるのだ。

 ちなみに、報酬をもらうことができるのはオススメクエストになっている4つのみで、それぞれ最初にA以上のランクを取ったときだけもらうことができる。

 つまりは報酬のアイテムをもらうことができるのは1日最大4つまでということになるのだ。

 

 このクリアランクはクエストのクリアタイム、倒してきた敵の数、死亡回数から導き出されている。

 なので、A以上のランクを目指したいのであれば死なないことを第一として、ある程度の敵の殲滅も必要となってくるだろう。

 なお、クリアタイムに関してはよっぽど寄り道などをしていない限りはマイナス要因になったりはしないので気にしなくても大丈夫だ。

 

 

「さーて、そんならさっさと、イクゾー!」

『でっでっでででで・・・・・・』

「みゃーん!」

 

 

 茜と葵の言葉を聞きながらペットの回復などを終わらせていた竜は最深部に向かって移動を開始する。

 移動を始めた竜の言葉に茜は竜の後を追いながらお約束とも言える言葉を繋げた。

 普通のお約束であれば「でっでっでででで」のあとは「カーンッ!」なのだが、茜から繋げたのがみゅかりさんだったため、ちょっとだけ変わったものになってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

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