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緊急クエストのデウスエスカ・グラーシアも倒し終わり、竜はPSO2からログアウトしてゲームを終了した。
竜がゲームを終わらせたのを確認したついなは炊飯器の炊き上がりの時間を確認しにキッチンへと向かっていった。
「みゅーみゅ、みゅみゅみゅいー!」
「あー、いなの姿が見えないんだもんな」
ついなの姿が見えなくてもなんとなく気配のようなものを感じていたのか、みゅかりさんはついながキッチンに向かったのと同時に竜に強く飛びついた。
みゅかりさんが飛びついてきたことに竜は少しだけ驚きつつも、その理由に納得して優しく背中を撫でる。
「だいじょぶだからなー」
「みゅみゅー・・・・・・」
竜に撫でられ、みゅかりさんはじょじょに落ち着きを取り戻していった。
そんなみゅかりさんを見ながら竜は考える。
茜たちに明日ついなのことを紹介するとは言ったが、ついなのことを見ることができるのかどうか。
一番の問題点としてはやはりそこになるだろう。
「ご主人、ご飯はもう少し時間がかかりそうやったで」
「ん、分かった。いな、みゅかりさんに姿を見せるのってできるか?」
「みゅうっ?!」
キッチンから戻ってきたついなは晩御飯までにはもう少し時間がかかるということを竜に言う。
ついなが晩御飯の準備を始めたのは竜がゲームを始めたのとほとんど同じタイミングなので、それほど時間はかからないと思われる。
ついなから話を聞いた竜はうなずき、みゅかりさんに姿を見せることができるのかの確認をする。
竜とついなが普通に会話をしているために忘れそうになるかもしれないが、ついなは基本的に霊力のある人間にしか見ることはできない存在だ。
その証拠にみゅかりさんにはついなの姿がまったく見えておらず、今現在の怯えて竜にしがみつく姿になってしまっているのだが。
「見えるように、見えるようにかぁ・・・・・・。できなくはないと思うんやけど、あまり長時間は維持できなさそうなんよねぇ」
「そうなのか?まぁ、短い時間でも見えるようになるなら充分だろ」
竜の言葉についなは申し訳なさそうな表情を浮かべながら答える。
どうやらみゅかりさんに見えるようにすることはできるようだが、短い時間しか見えるようにはなれないようだ。
といってもついなを紹介するだけならそこまで長い時間姿が見えるようになっていてもらう必要もないので問題はないだろうが。
「よし、それじゃあとりあえずみゅかりさんに見えるようになってくれるか?。姿が見えればみゅかりさんも怖がらなくなるだろうし」
「なるほど。分かったで。ん・・・・・・」
「みゅうっ?!」
竜の言葉についなはうなずき体に力を入れ始めた。
竜の目からはとくについなに変化があるようには見えないが、みゅかりさんが驚いていることからおそらくは見えるようになったのだろうということが分かった。
「みゅいっ?!みゅみゅみゅっ?!?!」
「ちゃんと見えるようになったみたいだな。この子が九十九神の子だよ」
「みゅかりさんって言うんよな?よろしゅうなー」
唐突に目の前に現れたついなの姿にみゅかりさんは驚き、竜とついなのことを交互に見る。
そんなみゅかりさんの姿に竜は笑いながらついなのことを紹介した。
竜に紹介され、ついなはみゅかりさんに向けてヒラヒラと手を振りながら自己紹介をする。
「みゅ、みゅみゅみゅ・・・・・・?」
「うん、よろしゅうな」
ついなの言葉にみゅかりさんは困惑しつつも前足を差し出す。
みゅかりさんの行動についなは微笑みかけ握手をするのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ