・
みゅかりさんとついなが知り合った翌日。
竜は保健室で茜、葵、ゆかり、マキ、あかりと向かい合って正座をしていた。
竜たちの様子に保健室の主であるイタコ先生は苦笑しており、ついなはおろおろと竜たちのことを見ていた。
「えっと、なんで俺は正座を・・・・・・?」
「分からへんか?」
なぜ自分が正座をすることになったのか。
その理由が分からず竜は茜たちに尋ねる。
ついなのことを紹介したときは確かに驚かせてしまったかもしれないが、それでも正座をするほどの要因にはならないだろう。
しかしそうなると竜には正座をしなければいけない理由がこれっぽっちも浮かんでこない。
竜の言葉に代表として茜が聞き返す。
「・・・・・・全然わからん」
茜に言われて理由を考えてみるも、それでもピンと来る理由はまったく思い付かず竜は首をかしげた。
竜の答えに茜たちは短く息を吐き、ビシィッと効果音のなりそうな速度でイタコ先生の隣でおろおろと竜たちのことを見ているついなを指差した。
「女の子と暮らすっちゅうのはあかんと思うんやけど?!」
「い、いくら九十九神だとしても女の子と2人きりっていうのは不味いよ!」
「なにかの間違いがあってからでは遅いと思いますし・・・・・・」
「それにご主人呼びはどうかと思うなぁ」
ついなを指差しながら茜たちは口々に思ったことを言う。
茜たちに指差され、ついなはビクリと肩を震わせてイタコ先生の後ろに隠れてしまった。
イタコ先生どころか東北家から逃げ出すほどにイタコ先生たちを怖がっていたついなだったが、今はそんなことを気にしていられないほどに困っているらしく、イタコ先生を壁のようにして隠れている。
まぁ、自己紹介をしていきなり竜が正座をさせられ、そのあといきなり指差されれば隠れてしまうのも仕方がないだろう。
「えっと、つまり、いなが一緒に暮らしているのは問題があるのでは、ってことか?」
「まぁ、そういうことやね」
茜たちの主張を簡単にまとめて竜は確認をする。
九十九神とはいえついなは女の子で、竜は若さの溢れる学生。
この2人が一緒に暮らすことになればどんなことが起きてしまうのか。
おそらくはそういったことを考えてしまったのだろう。
ハッキリと言ってしまえば茜たちの想像力が豊かすぎてセンシティブな方向に考えてしまったのだろう。
「ちゅわぁ・・・・・・、まぁ、学生さんですし、そういう風に考えてしまっても仕方がありませんわよ、ね?」
「え、え、うちがご主人と一緒に暮らすんはあかんの?」
茜たちのセンシティブな考えにイタコ先生はやや頬を赤く染め、ついなは竜と一緒に暮らすことがなぜダメなのか分からずにキョロキョロと全員の顔を見回していた。
茜たちの言葉を聞けばどういった意味で一緒に暮らすのが不味いと言っているのかは分かると思うのだが、ついなは九十九神ということで人間の考え方がいまいち分からないところがあるのだろう。
「それに、誰かと暮らしたいなら前からうちで暮らせばええって言うたやん!」
「もしくはボクとお姉ちゃんが交互に竜くんの家に泊まるとか」
「それに関しては私たちも混ぜて少し話し合いましょうか」
「あ、なんだったら私の家でも良いと思うよ。それにうちで働きやすくもなるし」
「いえいえ、ここはやはり向かいに住んでいる私が。家も大きいので生活できる部屋もありますし」
実は茜は何度か竜に1人暮らしは寂しくないかを聞いており、その度に一緒に住まないかの提案をしていた。
といってもそれはそこそこ前のことであり、最近は一緒に遊んだりして竜が楽しそうにしているため聞く頻度はほとんどなくなっていたのだが、ついなが一緒に暮らすということになってそのときの思いが再発したのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ