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服の中に潜り込んでいったキツネが動くたびに竜はくすぐったさで体を動かす。
キツネは竜の体に触れるようにして服の中を動いており、動くたびにキツネの体────とくに尻尾がさわさわと竜の体を撫でていくのだ。
くすぐったさから漏れそうになってしまう声を竜は口を押さえてなんとかこらえようとする。
「ん・・・・・・く・・・・・・、ちょ・・・・・・止ま・・・・・・」
くすぐったいのであればキツネを捕まえれば良いのではないかと思うかもしれないが、キツネの動きが意外と素早いのとくすぐったさが結構大きいという理由から竜はキツネを捕まえることができずにいた。
くすぐったさをこらえる竜の姿に茜たちは話し合うのを止め、ジッと竜のことを見る。
「なんちゅうか・・・・・・・・・・・・、エロない?」
「わかる」
「同意します」
「異論はないよ」
「エッチですね」
くすぐったさから時おり漏れる声と荒くなっていく呼吸。
そして赤く染まっていく顔色。
それらを見て茜は思わずといった様子で呟いた。
茜の呟きに葵、ゆかり、マキ、あかりは間髪入れずに肯定して頷いた。
男子高校生の姿を見ての反応としてはおかしいかもしれないが、その辺りはそういったことに興味のある年頃の女子高校生ゆえ仕方のないことなのだろう。
まぁ、そもそもとしてついなと一緒に暮らすということに対してそっち方面にことを考えてしまうレベルなので、この発言も当然と言えるかもしれないが。
「ちゅわぁ、ほら、公住くんが困っていますから出てきなさい?」
「くー・・・・・・」
くすぐったさに耐える竜とそれを見る茜たち。
さすがに止めなければいけないと思ったイタコ先生は竜に近寄り、竜の服の中に潜り込んでいるキツネに声をかけた。
イタコ先生の言葉にキツネは竜の服の首もとから顔を出して不服そうに鳴き声をあげる。
そんな不服そうなキツネの鳴き声を気にも止めずにイタコ先生はキツネを捕まえて竜の服から引きずり出した。
「こーんっ!」
「ダメですわ!もう、大人しく、しなさい!」
竜の服の中から引きずり出されたキツネはジタバタと四肢を動かしてイタコ先生の手から逃れようとする
そんなキツネの動きにイタコ先生は絶対に離すものかと押さえ込んでいた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・、くすぐったさで、死ぬかと、思った・・・・・・」
「だ、大丈夫なん?」
首もとから無理矢理キツネが引き抜かれたことによってボタンが取れてしまい、首もとが大きく開いた状態の竜はどうにか呼吸を整えながら床に座り込む。
座り込んだ竜を心配してついなはそっと近づきながら確認をとる。
近づいてきたついなに竜は呼吸を整えながら手をヒラヒラと軽く振った。
「サー、マタハナシヲシヨカー」
「ソウダネー」
「ハナシアイハタイセツデスモンネー」
「ウンウン、タイセツタイセツー」
「ハナシアイノサイカイデスネー」
竜がキツネから解放されて周囲のことを見る余裕が生まれた途端、茜たちはどこか棒読みで話しながら竜から顔を逸らした。
といっても顔は別の方向を見ていながら、しっかりと目線だけは竜の開いている首もとに向けられているのだが。
この辺は男女を入れ換えて考えればどういう考えで茜たちが顔を逸らして誤魔化しながら竜のことを見ているのかが分かるだろう。
「いい加減に、戻りなさ────ちゅわぁっ?!」
「くーっ!」
「え、ちょっ・・・・・・」
ジタバタと暴れるキツネをイタコ先生はどうにか自身の中に戻そうとするが、どうやらキツネが拒否をしているのかキツネの姿がイタコ先生の胸に埋まるだけになってしまう。
イタコ先生の胸に埋まったことが気に障ったのか、キツネはイタコ先生の胸を力強く蹴りつける。
予想外の強さの蹴りを受け、イタコ先生は驚きの声をあげながら体勢を崩してしまう。
そして、体勢を崩したイタコ先生は床に座り込んでいた竜を巻き込んで転んでしまうのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ