物語のネタが・・・・・・
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保健室での一悶着も無事に竜だけが授業に遅刻をするということで解決をした。
まぁ、ターミネーターの登場シーンのような体勢になってしまったのだから仕方がないことだろう。
そして時間は進み、放課後になる。
「竜せーんぱーいっ、帰りましょー!」
教室の扉を開けて元気に教室に入ってくるのは、この教室に来すぎてもはやクラスメイトたちも慣れてしまったあかり。
教室にいたクラスメイトたちは誰も驚いたりする様子はなかった。
「ん、あいよー」
「毎回思うんやけど、あかりの教室ってホームルーム終わるの早ない?」
「だよね。ボクたちがホームルーム終わったのはほとんどついさっきだし」
「んー、でもホームルームの終わる時間ってどこもほとんど同じなんじゃないのかな?」
「というかあかりさんの場合は、ほら、あれで・・・・・・」
教室の扉を開けて入ってきたあかりの姿に竜たちは自分たちのスクールバッグを手に取って立ち上がる。
手を振るあかりのもとに向かいながら茜は思ったことを呟く。
茜の言葉に葵も同意し、茜と葵はまったく同じ動きで首をかしげた。
竜たちの通う学校ではすべての授業の終わった放課後に、教師から簡単な話などを聞くホームルームの時間が基本的にはあり、あかりの教室でも竜たちと同じようにホームルームがおこなわれている。
しかし、あかりはいつも竜たちの教室に来ており、そのタイミングは毎回竜たちの教室のホームルームが終わったタイミングなのだ。
あかりの教室は1年生ということで竜たちの教室からはやや離れており、移動の時間を考えても茜はあかりの教室のホームルームの終わるタイミングが早いのではないかと考えていた。
茜の言葉にマキは口もとに指を当てて言う。
マキの言うようにホームルームの時間はそこまで極端に違うということはほとんどない。
まぁ、その辺りはそれぞれの教室の教師に一任されているので、もしかしたらあかりの教室の担任教師が物凄くホームルームの短い教師だったというパターンもあり得るのだが。
茜たちの言葉を聞きながら、あかりがなぜこんなに早く教室に来ることができるのかを推測できていたゆかりはハッキリとその手段は言わずにボカシた表現で言った。
「あー、せやね」
「たしかにあれならすぐにこっちに来れるよね」
「そういえばそんな方法を持ってたね」
「あれ?」
ゆかりの言葉に納得がいったのか、茜たちはしきりにうなずく。
唯一『あれ』とやらが分かっていない竜だけは不思議そうに首をかしげていた。
「んー、くぁ・・・・・・」
「お、起きたのか」
不意に竜の制服のポケットがモゾモゾと動き、中からアクビをしながらついなが顔を出した。
どうやら授業中に退屈になって眠ってしまっていたようだ。
「ありゃ、もう帰るとこなんやね。ほな、帰りに晩御飯の材料を買うのを頼むなー?」
竜の制服のポケットから顔を出したついなはキョロキョロと周りの様子を見て授業がすべて終わったことを知る。
ついなの言葉に竜はついなの頭を優しく撫でることによって応えた。
「どうかしたんですか?・・・・・・あ、いなさんですか?」
「ああ、さっきまで寝てたんだけど起きたみたいでな」
竜がいきなり制服のポケットに手を伸ばして動かし始めたことにあかりは首をかしげたが、すぐにポケットについながいることを思い出して竜に確認をとる。
あかりの言葉に竜はうなずき、ついなが今起きたということを伝えた。
「まぁ、いなにとっちゃあ授業なんて興味ないやろうしなぁ」
「そこはまぁ、仕方がないよね」
「正直、羨ましくはありますね」
「うん。たしかに羨ましいよね」
ついなが寝ていたということを聞き、茜たちは少しだけ羨ましそうに竜のポケットを見る。
といってもついなが見えるようになっていないので竜の制服のポケットしか見えないのだが。
茜たちが竜の制服のポケットを見るなか、マキだけはジッと竜のスクールバッグに付けられているついなのお面を見ているのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ