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竜たちは揃って校門を出る。
と、ここで竜はマキが同じ方向に向かおうとしていることに気がついた。
「ん?どうかしたの?」
「ああ、いや、ゆかりと遊ぶのか?」
竜が見ていることに気がついたマキは首をかしげながら竜に尋ねる。
マキに尋ねられ、竜は頬を掻きながら同じ方向に向かって歩く理由を推測して答えた。
「え・・・・・・?」
「え?」
「あ゛・・・・・・」
竜の答えにマキは驚いた表情で聞き返す。
マキが驚いている理由が分からず、竜は首をかしげる。
竜とマキが会話をしていると、不意に茜が声を漏らした。
聞こえていた茜の声に竜とマキだけでなく、葵、ゆかり、あかりの視線が茜に集まる。
全員の視線が集まり、茜はだらだらと汗を流し始めた。
「ねぇ、茜ちゃん。もしかしてなんだけど・・・・・・」
「もしかして、というよりも竜くんの反応を見る限り確定なのでは?」
「お姉ちゃん・・・・・・。何回か話すチャンスはあったはずだよね?」
「これは・・・・・・、ちょっと擁護できませんね」
茜の様子からやるべきだったことをやっていなかったのではないかとマキたちはジットリとした視線を向ける。
全員の視線を受けるというのはなかなかに圧のあるもので、茜は忙しなく目を泳がせていた。
「えっと、その・・・・・・。す、すマーン!」
「お姉ちゃん、謝る気ないでしょ?」
「は?」
「ちょっとなに言ってるか分からないです」
「はい?」
全員の視線の圧に耐えられなくなったのか、キョロキョロと目を泳がせていた茜は動画でネタにされていたデビルでマンなヒーローのように仁王立ちのポーズで動きを止めた。
どう見てもふざけた様子の茜の謝罪に、竜は苦笑し、他の4人は凍てつくような視線を向ける。
まぁ、普通に謝っていればまだ許された可能性もあったというのにこのタイミングでふざけた茜の自業自得なのだが。
◇ ◇ ◇
「んで?結局どういうことなんだ?」
お仕置きとして竜以外の全員のスクールバッグを持つことになってしまい、荒い息を吐きながら歩く茜の姿を苦笑いを浮かべながら見つつ竜はマキたちに尋ねる。
なお、竜が自分のスクールバッグを茜に持たせていないのは単純に茜が、葵、ゆかり、マキあかりのスクールバッグを持つだけで限界ギリギリのような状態だったからだ。
結局、マキが同じ方向に向かって歩いている理由は答えてもらってはおらず、ゆかりと遊ぶのでないならなにがあるのかが気になっていた。
「えっとですね?今日はみんなで竜くんの家に遊びに行けないかと思いまして」
「俺の家に?」
「うん。それで茜ちゃんに確認をとってもらおうと思っていたんだけど・・・・・・」
「それをお姉ちゃんが聞き忘れちゃってたの」
竜の問いにゆかりたちは本来の今日の予定を話す。
本来であれば茜が竜に家に行っても良いかの確認をし、ダメであれば報告という流れだったのだが、よりにもよって最初の最初、竜に確認をとるというところを忘れてしまっていたのだ。
ダメだったら報告ということで、茜がなにも報告をしなかったことからOKが出たのだとゆかりたちは考え、そのまま今に至ったということになる。
ゆかりたちの答えに竜は頬を掻きながら呆れた視線を茜に向ける。
「・・・・・・はぁ。まぁ、大丈夫だけど。帰りにスーパーに寄らせてくれ」
「それくらいは別に大丈夫かな」
「ボクたちもスーパーに寄る予定だったしね」
「竜くんの家に遊びに行くわけですし。お菓子も買わないといけませんね」
「私も自分で食べるものを買っておかないといけませんね」
小さくため息を吐いて竜は許可を出す。
その代わりに家に帰る前にスーパーに寄るということを伝えた。
竜の答えにゆかりたちはホッと安心したように息を吐き、スーパーに向かって歩き始めるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ