・
ついなに頼んで作ってもらったワードウルフ用の紙をシャッフルし、全員の前に配っていく。
お互いに配られた紙が他の人に見えないようにしながら中に書いてあるものを確認した。
「ふむ・・・・・・」
「これかぁ・・・・・・」
「へぇ・・・・・・」
「ふーん?」
「なるほど」
「むむむ?」
それぞれ紙に書かれてるものを見て少しばかり考えるような動きをする。
そして、ここからワードウルフのもっとも楽しいところ、仲間はずれ探しの話し合いの始まりとなる。
「そうだな・・・・・・。『これ』に文字は書いてあるか?」
「そりゃあ、あるやろ。むしろ無いわけがあらへん」
「そうだね。文字が書いてなかったら困っちゃうよ」
「でも、文字だけじゃなくて絵もありますよね」
「まぁ、絵と文字があるのが基本かにゃ~?」
「大体の人は『これ』を見ますよね」
スマホで5分後にアラームが鳴るようにセットし、竜たちは話し合いを始める。
お互いに誰が仲間はずれなのかは分からないので、やや警戒をしながら最初に竜が口を開いた。
この時点で紙に書いてあったものに関して分かった情報は2つ。
・文字が書いてあること
・絵が書いてあること
といっても仲間はずれが嘘をついて分かりにくいような言い方をしている可能性もあるので、情報をそのまま信用するというのも危ないのだが。
「んー、と。ぶっちゃけ、本屋に置いてあるよ、な?」
「あるでー」
「本屋だけじゃなくて自分で持ってる人も多いと思うよ」
全員の答えから似たようなものであると理解し、竜は思いきって情報をさらに詰めていく。
新しく追加された情報は『これ』が本屋に置いてある、ということだ。
「これは・・・・・・。あの、恐らくですけど、本ですよね?」
「そうだな」
「せやなー」
「そうだねー」
「うん」
「同じくです」
本屋にあって、文字や絵が書いてあるもの。
ここまで情報が出れば『これ』の大まかな区分が分かるというもの。
確認するようなゆかりの言葉に全員はうなずいた。
「あ、ちなみにさぁ、みんなは時間をかけて読む派?それとも一気に読む派?」
「俺は一気に読んじゃうな」
「うちもやね」
「ボクはあまり一気には読まないかな」
「私は続きが気になってしまうので一気に読んじゃいますね」
「私も一気派ですね」
本という分類が確定したので、マキは質問をする。
本にも種類があり、読む時間から本の種類を推測しようと考えたのだろうが、あまりヒントになりそうな情報は出てこなかった。
全員の答えにマキは少しだけ残念そうに肩を落とした。
「あ、せや。『これ』に美味しそうなご飯とか出てくると食べてみたいー!ってならん?」
「なるなる!」
「分かる。それで再現できそうなやつとかだとちょっと真似したくなってな」
「ですね。美味しそうに書かれていると見えなくてもヨダレが出そうになりますもん」
「そうだねぇ、私も・・・・・・うん?」
「あれ、いま・・・・・・?」
茜の言葉に葵はうなずき、竜も同じような経験があるのか同意するようにうなずく。
竜と葵の言葉にあかりもうなずき、自身の経験を言った。
さらに続けてうなずいていたマキだったが、あかりの言葉に引っ掛かりを覚えたのか首をかしげてあかりを見る。
同じようにあかりの言葉が気になったゆかりもあかりを見ていた。
「マキさん・・・・・・」
「あ、ゆかりんも気になった?」
マキとゆかりはお互いに引っ掛かりを覚えたことに気づいたのか、顔を見合わせてうなずく。
その間に茜たちはいつの間にか美味しそうだった本の食べ物の話を始めており、ゆかりたちの様子に気づいていなかった。
「とりあえず、まだ時間はあるのでもう少し情報を集めましょう」
「そうだね」
気になる点はあったが、まだ確証を得るのには至らないとして、ゆかりとマキはさらに情報を集めることにするのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ