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テーブルの上に広げられているのは先ほど竜たちがやっていたワードウルフに使っていたお題の書かれた紙。
6枚の紙の内、1枚はあかりの持っていた仲間はずれのお題である『小説』と書かれた紙で、残りの5枚の紙には『マンガ』と達筆に書かれていた。
「小説とマンガってちょっと仲間はずれを見つけるのは難しかったな」
「まぁ、分類的に本っていう点で同じだしね」
「あかりの“見えていなくても”っていうのがやっぱり重要なポイントやったね」
「うー、それだけで仲間はずれだと分かるなんて・・・・・・」
テーブルの上に置かれている6枚の紙を見ながら竜は言う。
事実として、小説とマンガの違いなんて文字がメインになっているか絵がメインになっているかの違いくらいしかなく、あかりがうっかり漏らした“料理の絵が見えていなくてもヨダレが出そうになる”という言葉がなければあかりが仲間はずれだと気づくことはほぼ不可能だったのではないかとすら思えた。
テーブルの上に置かれている6枚の紙を見ながらあかりは悔しそうに呟く。
あかりからしてみれば、ここまでの会話で自分は仲間はずれではないと思っていただけに本当に予想外だったらしい。
「むぅ、悔しいので次にいきましょう!」
「さて、次は誰が仲間はずれになるのやら・・・・・・」
そして、2回戦目となるワードウルフの紙が全員にもう一度配られた。
1度目の時と同じようにそれぞれ自分に配られた紙に書かれているお題を確認する。
「ふむ、そうだな・・・・・・。『これ』って映画とかでよく見るよな?」
「あー確かによく見るなぁ」
お題を確認した竜はスマホのアラームをセットしてから会話を始めた。
竜の言葉に茜はうなずいて同意をする。
映画でよく見るということは題材にしやすいものということ。
これはお題を絞り混むのにはなかなかに重要そうなポイントだろう。
「んっと、とりあえず『これ』ってけっこう大きいですよね?」
「そうだね。とりあえず人よりは大きいよね」
「たしかに大きくて乗れそうなくらいですよね」
「あー、ボクもちょっと乗ってみたいかも」
ワードウルフにおいて仲間はずれを見つけるために重要なのはいかに自然に仲間はずれであろう情報を引き出すことができるか、という点になる。
ワードウルフは場合によっては仲間はずれとして見つかったとしても、多数派のお題を答えることができれば仲間はずれ側の勝利となるというルールがある場合がある。
今回の竜たちのルールには無いが、そういったルールがある場合もあるので迂闊に情報を出しすぎて負けるということもあるのだ。
「あ、ちなみに皆さんはどこで『これ』を見たことがありますか?ちなみに私は図鑑ですけど」
「俺はテレビだな。映画で出てきたのを見た」
「うちはゲームやね」
「ボクもお姉ちゃんと同じだよ」
「私は竜くんと同じでテレビかな」
「私もテレビですね。アニメでもよく出ますし」
当たり障りのないような質問に思えるかもしれないが、これはこれでなかなかに重要なポイントになることもあるので、どんどん会話をしていくことがワードウルフを楽しむということにも繋がるだろう。
あかりの質問に竜たちはどこで『これ』を見たことがあるのかを答えていく。
図鑑、テレビ、ゲーム、アニメ。
どれも普通に見ることができるものばかりで、今のところはまだ誰が仲間はずれなのかは判別がつかないところだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ