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全員の投票先と投票した理由を開示し終わり、竜たちは静かに顔を見合わせる。
投票された中で票が多く集まったのは竜とマキの2票。
この場合は投票された人間以外のプレイヤーがどちらかにもう一度投票して1人を決めるのだ。
「竜かマキマキのどちらかを選んで投票するんやね?」
「そうなりますね。とりあえず私は投票先は変えずに竜くんのままですね」
「ボクも変えずにマキさんのままかな」
「となると私と茜先輩の投票で決まるわけですか・・・・・・。偶数だから難しくないですか?」
ゆかりは竜に、葵はマキに投票したのをそのまま変えず。
茜とあかりはどちらに投票しようか頭を悩ませていた。
ここで2人がそれぞれ竜とマキに投票してしまった場合、またそれぞれ2票づつになってしまうのでそれだけは避けなくてはならないのだ。
「んー、あかり、ここはうちとあかりの2人で1票にせえへんか?」
「そうですね。ちなみに茜先輩はどっちだと思ってますか?」
このまま投票をしてしまっては票が分散してしまうかもしれない。
そのことに気がついた茜があかりに提案をする。
茜の提案にあかりはうなずき、茜がどちらに投票するつもりなのかを聞いた。
「せやねぇ、竜とマキマキなら竜の方が怪しそうに思えるんやけど・・・・・・」
「俺かぁ・・・・・・」
「そーだそーだ!竜くんに入れるんだー!」
茜の言葉に竜は少しだけ困った表情を浮かべ、マキは楽しそうに腕を動かしている。
マキからすればここで竜に投票してもらえれば勝てると思っているので、是非とも竜に投票をしてほしいのだ。
「私は選べなくて勘になっちゃいましたので、茜先輩が選んでください」
「ええんか?そんなら竜に投票やね」
あかりは先ほどの投票で自分が勘で選んでしまっていたことを気にして、茜にどちらに投票するかの選択を委ねた。
あかりの言葉に茜はあっさりと竜に投票する。
これで竜に票が2票入ったことになり、竜が仲間はずれとして
「とりあえずこれで竜くんが2票ということでお題の書いてある紙を見せてください」
「あいよ。俺の紙に書いてあったお題はこれだ」
ゆかりに促され、竜はお題の書いてある紙を広げて全員に見えるようにする。
竜の広げた紙をゆかりたちは覗き込んだ。
「えっと・・・・・・?お題は・・・・・・『ぞう』ですか」
「たぶん仲間はずれだと思っているんだが・・・・・・」
「せやね」
「うん。仲間はずれだね」
竜の広げた紙に書いてあったお題は『ぞう』。
なんとなく自分が仲間はずれだろうと思っていた竜は頬を掻きながら呟く。
竜の呟きに茜と葵が肯定するようにうなずいた。
「“クレヨンしんちゃん”にぞうなんて・・・・・・。ああ、あれですか・・・・・・」
「あれですね」
「たしかに最近では見ないよね」
竜が映画で『ぞう』を見ていたと言っていたことを思い出しながらゆかりは首をかしげていたが、すぐになんのことを言っていたのか察し、あきれたような表情でうなずいた。
ゆかりの言葉にあかりやマキも納得がいったのかうなずく。
「ちなみに多数派のお題はなんだったんだ?」
「私たちのお題は『恐竜』だよ」
竜の言葉にマキは自身の持っているお題の紙を竜に見せた。
そこには『ぞう』の文字と同じように達筆な字で『恐竜』と書かれていた。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ