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あまりにも混沌としていたマリオカートもいつの間にか茜とゆかりの一騎討ちとなっていた。
お互いに残っている風船は1つづつ。
勝負に決着がつくのも時間の問題だろう。
「さぁて、どうやって倒したろうかな」
「ふふふ、それはこっちのセリフですよ?」
2人はお互いに対角にくるように位置取りながらカートを走らせていた。
「あっはっは。いやぁ、死んだ死んだ」
「えへへへぇ、うっかりしちゃいましたねぇ」
「いや、2人ともやられ方が情けなさすぎない?」
「どっちもほとんど自爆みたいな感じだったよね?」
互いに相手を牽制して状況が膠着してきている茜とゆかりを見ながら竜とあかりは笑う。
笑いながらお菓子をつまんでいる竜とあかりに葵とマキは呆れたような視線を向けながらツッコミを入れた。
ちなみに、竜が敗北することになった最後の攻撃は自分の撃った赤甲羅が急角度で反転してぶつかってきたことによるもので、どう足掻いても回避のできないものだった。
他のプレイヤーを追跡するはずの赤甲羅が急角度で反転する意味が分からないかもしれないが、これには理由がある。
赤甲羅の特徴は他の“一番近い”プレイヤーを追跡すること。
つまり、その追跡する対象が赤甲羅を撃ち出した竜の真後ろにいた場合、急角度で反転して他のプレイヤーを追跡しようとするのだ。
そしてその結果、他のプレイヤーにぶつかる前に竜にぶつかることになってしまうのだ。
これが竜が自分の撃ち出した赤甲羅に倒されることになってしまったことの詳細だった。
さらにおまけで言っておくと、あかりは大量に撃ち出していた緑甲羅が予想外に大量に自分の方に戻ってきたことによる完全な自爆だったりする。
「いやぁ、俺のあれは仕方がなくないか?」
「んー、まぁ・・・・・・、そう、かな?」
「私だって仕方がないですよね?」
「いや、あかりちゃんのあれは自業自得だよ?」
葵とマキの言葉に竜は頬を掻きながら答える。
仕方がないとは言うが、竜も笑いながら赤甲羅を手に入れた瞬間に撃ち出していたので、少し落ち着けば回避できた事態なのだが。
竜の言葉に葵は苦笑しながら言う。
竜と葵のやり取りに自分がやられてしまったのも仕方がないことだとあかりは主張する。
そんなあかりの主張をマキはバッサリと切り捨てた。
「なんでですか」
「だってあかりちゃんの場合は自分で大量に緑甲羅を撃ち出してたからだし」
あまりにもアッサリとマキが切り捨てたことにあかりは不満そうにしながら聞き返す。
不満そうなあかりにマキは少し困ったような表情を浮かべながら切り捨てた理由を答えた。
「ぐぬぬぬ・・・・・・」
「よし、お菓子補充かんりょー。あかりー?」
「あ、はーい」
マキの答えにあかりは悔しそうに呻き声をあげる。
そんなあかりの姿を見ながら竜は食べていたお菓子のゴミをまとめた。
竜に名前を呼ばれ、あかりはうなずいて64のコントローラーを手に取った。
あかりの名前を呼んだ竜も同じように64のコントローラーを手に取る。
すでに風船をすべて失っている竜とあかりがコントローラーを持っても意味はないように思えるかもしれないが、64のマリオカートのバトルモードには倒されたあとにも“ある要素”があるのだ。
それは、風船をすべて失ったプレイヤーが爆弾カートとして動くことができるというものだ。
これによって風船をすべて失った竜とあかりも操作をすることができるのだ。
そして、“爆弾”カートということで、当然ながらできることが1つある。
まぁ、これは名前から察することができるだろう。
爆弾カートのできること、それは他のプレイヤーに突撃すること。
つまりは“
ちなみに、爆弾カートは1度爆発すると復活することはできず、エリア外や溶岩に落ちたり、スター状態のプレイヤーにぶつかったりしても破壊されてしまうので、他のプレイヤーにぶつかりに行く場合は気をつけなければならない。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ