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お菓子をつまむ量を抑えながら竜たちは雑談をする。
64のマリオカートはすでに終わっており、今は大乱闘スマッシュブラザーズをゆかりたちがプレイしていた。
「うーん。スイッチでのスマブラも良いけど。64のスマブラも良いもんだな」
「なんていうか、独特の味があるよね」
「前にご主人が似たようなゲームをやってるのを見たけど、それと同じゲームなんか?そのわりには、なんちゅーか・・・・・・、カクカクしとるけど」
ゆかりたちのプレイしている様子を眺めながら竜はウンウンとうなずく。
64の大乱闘スマッシュブラザーズは一番最初の作品ということもあって、ニンテンドーSwitchで出ているものに比べると画像のクオリティや登場キャラクターの人数などなど劣る部分はたしかに多いのだが、それでもこの64の雰囲気とでも言えばいいのか、味わい深いものを竜は感じていた。
竜の言葉に同意するように隣に座っていた葵もうなずく。
葵とは反対側の竜の隣に座って同じようにテレビが面を見ていたついなは不思議そうに竜に尋ねる。
64とSwitch。
そのクオリティの差があるのでついなが疑問に思ってしまうのも仕方がないだろう。
それほどまでに技術の進歩というものがあるのだ。
「ああ、同じゲームだよ。といっても一番最初の作品と数年を経てからの作品だからその分の差があるけどな」
「本体のスペックの差とかもあるよね」
「んっと、とりあえず同じ種類のゲームなんやね」
竜と葵の言葉についなはなんとなく同じゲームだということを理解して納得したようにうなずいた。
「ほーれ、吹っ飛びぃ!」
「そんな横スマには当たりませんよ」
「マキ先輩をモグモグです!」
「あー、あかりちゃんに飲まれたー!」
茜の操作するキャラクターの横スマッシュ攻撃をゆかりの操作するキャラクターがひらりと回避し、別の場所ではあかりの操作するキャラクターがマキの操作するキャラクターを口に含んでゴクリと飲み込んでいた。
“大乱闘スマッシュブラザーズ”は特定の条件の対戦でない限り、基本的には相手を画面から叩き出してバーストさせることによって勝利をすることができる。
このルールは有名なので知らない人はほとんどいないだろう。
「今のところは・・・・・・、茜が優勢っぽいか?」
「ちゃんと数えてなかったから分からないけどたぶんそうだと思うよ」
茜たちが今やっている対戦のルールはタイム制乱闘。
これは制限時間内にどれだけ多く他のプレイヤーを落とすことができたかによって勝敗が決まるルールだ。
テレビ画面の中を動き回るキャラクターたちを見ながら竜は誰が勝ちそうなのかを予想する。
竜の言葉に葵もうなずき、茜が優勢かもしれないと言う。
「そういえば、何時くらいまでいるんだ?もうけっこう時間は経ってるけど」
「あ、本当だ。それならそろそろ帰った方がいいかも。みんな晩御飯の準備とかあるだろうし」
「なかなかに暗くなってきとるんやけど・・・・・・、大丈夫なん?」
ふと竜は茜たちが何時に帰る予定なのかを尋ねる。
竜の家で遊び始めてからすでにそこそこの時間が経っており、そとはやや薄暗くなってきてしまっている。
外の様子を見たついなはここまで薄暗くて大丈夫なのかが気になって葵に尋ねた。
「たしかにちょっと薄暗いけど、ボクはお姉ちゃんとゆかりさんと一緒だから大丈夫だと思うよ」
「3人でも心配は心配なんだが・・・・・・。でも、一番心配なのはマキなんだよなぁ」
葵は茜とゆかりの3人で帰るから危ないことはなにもないという。
そんな葵の言葉に竜は心配そうにしながらゲームをプレイしているマキを見た。
マキの家は学校のさらに向こうで、竜の家から帰るとなればなかなかに長い距離となってしまう。
しかもその距離をマキは1人で歩いていかなければならないのだ。
マキの帰り道の安全性のことを考えながら竜は小さく溜め息を吐くのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ