変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第214話

 

 

 

 

 茜とゆかりからの電話を受けてから数分後、どうにか葵が落ち着くことができたのかマキがゆかりと会話をする声が聞こえてきた。

 先ほどまでのマキの慌てようからゆかりと葵が大変なことになっているのだろうと推測できていた竜はホッと息を吐く。

 

 

「葵は落ち着いたみたいだな?」

『あー、まぁ、落ち着いたっちゃ落ち着いたなぁ』

 

 

 マキとゆかりが普通に会話を始めたことから葵が落ち着いたのだろうと考えて竜は茜に尋ねる。

 しかし、竜の言葉に茜はなんとも曖昧に答える。

 茜の答えに竜は不思議そうに首をかしげた。

 

 

「どうかしたのか?」

『いや、そんな気にするほどのことでもないから気にせんでええよ。・・・・・・ほ・・・、ぅ・・・・・・・か・・・・・ぃ・・・・・・ぃ・・・・ゃ・・・・・・・・っ・・・・・・ぃ・・・・・・』

 

 

 茜の反応からなにか気になることでもあったのかと竜は尋ねるが、茜は気にしなくてもいいと答える。

 竜の言葉に答えた後に茜がなにかを言っていたようにも聞こえた気がしたが、竜の耳にはなんと言っているのかまったく聞こえなかった。

 そして、そのまま電話は切れるのだった。

 

 

「・・・・・・なんだったんだ?」

「あ、竜くんの方も電話は終わったんだね」

 

 

 通話の切れたスマホを見ながら竜は首をかしげながら呟く。

 竜がスマホを眺めていると、先に通話の終わっていたマキが声をかけてきた。

 マキの声に竜はスマホをポケットにしまいながら軽く手を挙げて応える。

 

 

「そっちの方が先に話し終わってたんだな」

「うん。葵ちゃんに首を絞められてて声が出せなかったんだって」

 

 

 竜の言葉にマキは苦笑を浮かべながらフリフリと見えるようにスマホを揺らしながら竜に答える。

 葵がゆかりの首にしがみついていたことは茜から聞いていて知っているのだが、それでも改めて聞くと葵とゆかりが喧嘩をしているようにも聞こえた。

 

 

「葵はホラー系が苦手だからなぁ。正直に言うと俺も今の時間のこの道はけっこう怖いし」

「街灯はあってもけっこう薄暗いもんね。私も竜くんがいなかったらヤバかったかなぁ・・・・・・」

 

 

 葵がゆかりの首にしがみつくことになってしまった理由を理解している竜は苦笑しながら言う。

 ホラー系のゲームに関しては葵よりは耐性のある竜でも怖いと感じられる道。

 それだけでもかなり薄暗いということがうかがえた。

 

 

「お、学校だ」

「うひゃあ、やっぱり夜の学校って不気味だよね」

 

 

 マキの家に向かう途中、竜は学校が見えてきたことに気づいて呟いた。

 竜の呟きにマキはチラリと夜の学校を見る。

 

 夜の学校。

 それはホラーゲームや映画の題材としてはよく使われる舞台の1つで、敷地の中に入ったわけでもないのに言い様のない不気味さを感じることができる場所だ。

 

 弱い風によってサラサラと揺れる木の葉。

 道路にある街灯の光が届かずに真っ暗な校庭の(はじ)

 街灯の光が中途半端に届いているせいで不気味に光っているように見える石像。

 校舎の窓から見える非常口を示している緑色の非常灯。

 

 どれか1つでも不気味さを感じられるというのに、それらの要素がすべて集まることによって相乗的に不気味さが倍増されていた。

 

 

「そういえばうちの学校って七不思議とかあるんかね?」

「あー、たしかに学校って言ったら七不思議はつきものなイメージあるよね。どうなんだろ、私は聞いたことないなぁ」

「イタコ先生にでも聞いてみるか?葵は逃げそうだけど」

「えー、でも七不思議って7つ全部知ったら不幸なことが起こるとかなかったっけ?」

 

 

 夜の学校の不気味さを肌で感じながら、竜はなるべく学校の方を見ないようにしつつマキと話す。

 

 夜の学校を見たことから竜はふと思ったことをマキに聞いてみた。

 学校といえば七不思議は基本的にセットとも言えるような組み合わせ。

 マンガやドラマなんかで見るような七不思議が自分たちの通っている学校にもあるのかが竜は気になったらしい。

 

 竜の言葉にマキは少なくとも自分は聞いたことがないと答えた。

 マキの答えに竜はイタコ先生に七不思議があるのかを聞いてみるか提案するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ
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