関係ないですが、“うたわれるもの 二人の白皇”を久しぶりに見て泣きました
・
不気味さを感じられる学校の前を横切り、竜とマキはマキの家に向かって歩く。
学校の前を歩いているときに竜は笑っている子供の声や鈴の音のようなものが聞こえたような気がしたが、こんな時間に学校に子供がいるはずもなく、隣を歩いているマキは聞こえていない様子だったので気のせいだと忘れることにした。
「七不思議の定番だとしたら校庭にある石像が動くとか、一段増えている階段とかか」
「あとは~、音楽室のベートーベンの目が動くとか?」
視界の端に流れていく学校にチラリと視線を向け、竜とマキは思いつく七不思議を挙げる。
丑三つ時に動き出す校庭の二宮金次郎像。
階段を数えながら上り、同じように数えながら下りると段数が変化している。
音楽室の壁にかけられているベートーベンの写真の目が動く。
どれもかなり有名な七不思議で、自分の通っている学校の七不思議は知らなくても知っているほどのものだった。
「あ、トイレの花子さんも有名だよな」
「でもさぁ、あれって女子トイレ限定の怪談なのになんで男の子たちにも知られてるんだろうね?」
続けて竜は日本で知らない人はいないであろう怪談を挙げる。
“トイレの花子さん”
それはその名の通りトイレにいるとされる怪談で、正確に言うなら4階女子トイレの3番目のトイレにいる少女の幽霊という怪談だ。
竜の言葉にマキはポツリと疑問に思ったことを呟く。
マキが疑問に思ったのはトイレの花子さんという怪談が女子トイレを舞台にしているのに男の子にも知られているということ。
女子トイレを舞台としているのだから広まるにしても女子の間だけのはずなのだが、それがなぜか普通に男の子の方にまで広まってしまっているのだ。
まぁ、そうなった理由として考えられるのは、やはり怪談がマンガや小説、映画やアニメなどの題材として使われているからだろう。
そういったものに使われているから普通は女子トイレに入ることができないはずの男の子が“トイレの花子さん”を知っているのだ。
「えっと、動く石像に増える階段、目が動くベートーベンにトイレの花子さんで4つか」
「あと3つはどんなのがあったかな?」
すでに学校は見えない位置にまで歩いてきているのだが、一般的に知られている七不思議にどんなものがあるのかが気になってきた竜とマキは七不思議談義をする。
竜とマキがパッと思いついたのは七不思議のうちの4つ。
残りの3つがどんなものがあったのかを竜とマキは考える。
「んーっと、校舎を動き回る人体模型、もしくは白骨標本?」
「そうだなぁ、桜の木の下には死体が埋まってるとかも七不思議だっけ」
記憶をあさり、学校に関連していそうな怪談を竜とマキは挙げる。
竜とマキの挙げた怪談が本当に七不思議に含まれているのかは分からないが、それでもこういうものは雰囲気が大事なのだ。
ちなみに、竜たちの通っている学校には桜の木は植えられておらず、梅の木しか植えられていないので、マキの挙げた桜の木の下の死体という怪談は七不思議には含まれていなかったりする。
「美術室のモナリザが動くってのもあったよな。というか七不思議って物が動く系が多いよな」
「そういえばそうだね。やっぱり学校っていうことで物系の方が多くなっちゃうのかな?」
竜は追加でさらに怪談を挙げ、物が動く系統の怪談が多いことに気がつく。
竜とマキが挙げたものの中で物が動く系統の怪談は、動く石像、目が動くベートーベン、校舎を動きまわる人体模型、モナリザの4つ。
七不思議のうちの半分以上が物が動く系統の怪談だった。
なお、物が動く系統の怪談が多くなってしまっているのは他の怪談を思いつくことができない竜とマキが原因なのだが、2人はそのことにはまったく気がついていない。
そして、七不思議の話に夢中になっているといつのまにかマキの家に着いているのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ