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昨日の出来事を話すために竜は保健室に向かう。
ここのところ保健室に向かう頻度が多いような気がするが、そういったことの専門家であるイタコ先生が保険医なのだから仕方がないのだろう。
ちなみに、竜は気づいていないのだが、竜が保健室に行っている頻度が多いことは他の生徒たちも気づいており、ほとんどの生徒たちは竜がイタコ先生に異性としての好意を持っているのではないかと思っていたりする。
そのため“IFC”、つまりは“
当然ながらこのファンクラブはイタコ先生からの許可はもらっておらず、非公認ゆえに決して気づかれてはいけないという掟があったりするのだが、所属していない竜にはなんの関係もなかった。
「失礼します」
「あら、いらっしゃい。どうかしましたの?」
竜が保健室に入ると、イタコ先生は微笑みながら応える。
そして、竜は慣れた様子で保健室にあるソファーに座った。
「えっと、昨日の夕方・・・・・・、いや、夜?にちょっと出掛けていて女性の霊に襲われたんですよ」
「そうなんですの?!怪我は、ないみたいですわね・・・・・・」
竜の言葉にイタコ先生はついなと同じように驚き、慌てた様子で竜の体を見る。
しばらく竜の体を見ていたイタコ先生だったが、竜の体に怪我らしい怪我が見当たらないことが分かると、ホッと息を吐いた。
「はい。2人の女の子に助けてもらいまして」
「2人の女の子、ですか?」
イタコ先生が落ち着いたタイミングで竜はひめとみことに助けて貰ったことを教える。
竜の言葉にイタコ先生は霊への対抗手段を持っている2人の女の子を考え始めた。
竜が夜に出歩いていたということからこの近辺で活動しているものたちであることは確定として、2人の女の子となると当てはまるものは数えるほどしか思いつかない。
「ええ、まぁ・・・・・・、その・・・・・・、それで、女の子たちの名前を知っちゃったんですよね・・・・・・」
「えーっと、もしかしなくても、“あの子たち”ですわよね?」
竜が名前を知ってしまったことを言ってくるということは2人の女の子は霊的な存在ということ。
これが仮にイタコ先生と同業の霊能者であるならば名乗るのは偽名がほとんどだとイタコ先生は竜に教えているので、ここまで困った様子で言うことはないだろうとイタコ先生は考えた。
そして、この近辺で2人の女の子の霊的な存在というのはこの学校にしかいない。
竜が名前を知ってしまったと聞き、イタコ先生は中庭に植えられている梅の木を指差しながら言った。
「たぶん・・・・・・。帰りに魔除けとして梅の木の枝をもらいましたし」
「なら間違いありませんわね。とりあえず、あの子たちの名前も人前などでは呼ばないようにしてくださいね?」
帰りに梅の木の枝を貰ったことを竜が言うと、イタコ先生は思っていた2人で間違いないと確信を得た。
そして、ついなと同じように人前ではあまりひめとみことの名前を呼ばないようにと軽く注意をする。
「ですが、あの子たちもなかなか安心して話せるような人がいませんでしたからね。どうか、仲良くしてあげてくださいね」
「それは、もちろんです」
イタコ先生の言葉に竜はひめとみことの姿を思い浮かべる。
どう見てもその見た目は小学生くらいの女の子たちで、話した感じで精神的にもそのくらいの年齢のように思えた。
そんな2人に安心して話せる人間が少なかったと知り、竜はしっかりとうなずいて応えるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ