呼札だけで☆4と5を引いたりするとあとあと悪いことが起きそうな気がしますのね。
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学校の授業。
それは日本に住んでいる人間であればほぼ必ずと言っていいほどに経験のあるもの。
そして、学校の授業を受けているときはめんどくさいなどと考えてしまうのだが、成長して過去を振り返ってみるとちゃんと授業を聞いていればよかったと後悔をするものだ。
「竜お兄さん、あーそびーましょ!」
「ちょ、なにしとー?!今は授業中ったい?!」
「ぐぁっ?!」
まぁ、今が授業中だろうが人間ではないひめとみことには関係がないのだが。
お昼休みが終わって午後の授業が始まり、竜は眠さを我慢しながら授業を受けていたのだが、いきなり現れたひめに後ろから突撃をくらい、思いきり机に頭をぶつけてしまった。
ひめの行動にみことは驚き、竜のことを心配するようにおろおろとしている。
ひめとみことの姿はクラスメイトたちには見えておらず、周囲から見れば竜が眠りかけて机に頭をぶつけたように見えていた。
「ッつぅ~・・・・・・」
「あやぁ、ごめんったい・・・・・・」
「ほら、迷惑をかけたらいかんけん。戻るばい」
机にぶつけたところを手で押さえながら竜は顔をあげる。
竜が顔を上げると、前に移動していたひめが申し訳なさそうな表情になりながら謝った。
謝るひめに竜はヒラヒラと小さく手を振って応える。
「んで、どうしたんだ?」
「誰もいなくて退屈だったから遊んでほしくて来たっちゃけど・・・・・・」
「授業中だからダメだってボクは言ったったい」
ひめとみことの姿がクラスメイトたちに見えていないことを意識して竜は小声でここに来た理由を尋ねる。
竜に尋ねられ、ひめはチョンチョンと人差し指を合わせながら授業中の教室に来た理由を答えた。
ひめの言葉にみことはジトッとした視線を向けながら呟く。
どうやら、午後の授業が始まって生徒の姿が見えなくなって退屈になり、竜のもとに遊びに来たらしい。
まぁ、普通に考えれば生徒が授業中なのだから竜も授業を受けていると気づけそうなものなのだが、ひめはそこまで思い至らなかったらしい。
「つってもなぁ・・・・・・。というか今までも授業で誰もいないときなんてあったんじゃ・・・・・・」
「そうなんけど・・・・・・。そうなんけどぉ・・・・・・」
「ごめんなさい。ボクたち、イタコさんたち以外にちゃんと話せる人がいるのは久しぶりで・・・・・・」
授業で生徒の姿が見えなくなるのは今にはじまったことではない。
今までにも授業で生徒たちが中庭からいなくなることはあっただろうと竜は2人に尋ねる。
竜の言葉にひめは今にも泣き出してしまいそうなほどに顔をくしゃりと歪める。
そんなひめを宥めるようにみことは背中をさすり、ひめがどうして授業中の教室にまで来ようと思ったのかを答えた。
おそらく、ひめは久しぶりに話せる人が現れたことに嬉しくなり、その嬉しさの勢いのまま教室にまで来てしまったのだろう。
イタコ先生から2人は安心して話せる人が少なかったと聞いていたことが頭の中によみがえってくる。
「そうか・・・・・・」
みことの言葉に竜は同情と思われてしまうかもしれないが悲しくなり、そっと2人の頭に手を乗せた。
「まぁ、授業中だから静かにしていればここにいていいからな」
「うん、ありがと」
「ありがとうございます」
竜の言葉にひめとみことはうなずき、竜の席の左右に木の椅子を生やして座るのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ