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竜の左右に生やした木の椅子に座りながらひめとみことは教室の中を見渡す。
2人はこれまで数えるほどしか教室に来たことはなく、それもそこそこに昔のことで今の教室には興味を示していた。
過去に見た教室といえば木の椅子に木の机で壁も木製のものだったり、教室の前の方にやや大きめのストーブがあったりと年代を感じさせるようなものばかりだった。
そのため、教室の天井に取りつけられているエアコンなどに目新しさを感じているのだ。
「はやぁ・・・・・・、どんどん新しくなっていくんやねぇ」
「便利になるのは良いことっちゃけど寂しくもあるけんね」
ポカンと口を開けてエアコンを見るひめに、みことはやや寂しそうな表情を浮かべながら言う。
みことの言うように便利になるということは古いものがなくなって新しいものが増えるということ。
そのことをみことは少しだけ寂しく感じていた。
「んや?・・・・・・ご主人、この2人はどちらさんや?」
「お、起きたのか。この2人は昨日の夜に俺を助けてくれた女の子たちだよ」
不意に、竜の制服のポケットがモゾモゾと動き、中から目をクシクシと擦りながらついなが顔を出す。
ついなは竜の左右に座るひめとみことに気がつくと、不思議そうに首をかしげながら竜に尋ねる。
実はついなは竜が家を出てしばらくしてからポケットの中で眠ってしまい、今の今まで起きてこなかったのだ。
ちなみに「
竜の言葉についなは驚いた表情でひめとみことを見る。
「この2人がか?えと・・・・・・、ご主人を助けてくれてありがとうな」
「気にせんでよかよー」
「ええ、たまたま竜さんに気がついただけでしたので」
昨日の夜に霊に襲われた竜のことを助けてくれたと聞き、ついなは頭を下げて感謝の言葉を言う。
ついなの言葉にひめとみことは笑みを浮かべながら答えた。
竜の制服のポケットから出てきた小さなついなのことをひめとみことは興味深そうに見る。
2人に見つめられ、ついなは恥ずかしそうに視線を泳がせた。
「ふんふん。霊力で大きさを変えとるみたいっちゃね」
「これくらいならボクたちでもできそう、かな」
興味深そうについなのことを見ていたひめとみことは顔を見合わせる。
そして、ポンッという音とともに2人の体がついなと同じくらいにまで小さくなった。
「うん。これなら場所もそこまで取らんと便利ったいね」
「そうやね。それにこの大きさならボクたちも竜さんのポケットに入れるかもしれんね」
小さくなった自分たちの体を見ながらひめとみことは満足そうに言う。
いきなり小さくなったひめとみことに竜とついなは驚き、思わず目を見開いてしまった。
ひめとみことは竜の机の上に立ち、パタパタと机の上を走り回って面白そうに竜の書いているノートを見たりしている。
「えっと、なにか書くか?」
「書く書くー!」
「えっと、ボクもちょっと書きたいです」
「あ、うちも書きたいんやけど」
机の上で動き回っているひめとついなに竜は筆箱の中に入っているペンをひめ、みこと、ついなに渡し、ルーズリーフを一枚だした。
ペンを受け取り、3人は思い思いにルーズリーフに好きなことを書いていく。
楽しそうに書いていく3人の姿に竜は微笑み、授業に集中していくのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ