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膝に乗る猫の頭を撫でながら竜は葵とみゅかりさんが協力プレイするゲームを見る。
プレイしているゲームは地球防衛軍で、2人・・・・・・いや1人と1匹のコンビネーションは中々に良さそうだ。
「うわぁ・・・・・・、改めて思うけどこのゲームの虫とか本当に気持ち悪いよね・・・・・・」
「みゅみゅ」
「だな」
「せ、せやにゃ~・・・・・・」
葵の言葉にみゅかりさんも同意するように頷く。
これに関しては竜も同じ意見なので特に否定をするつもりはないようだ。
「そういえば難易度ノーマルでやってるけどハードとかはやらないのか?」
「う~ん、ボクの腕だとハードはちょっと難しいかな」
難易度インフェルノで集めた武器でノーマルの敵をなぎ倒していく様子を見ながら竜は葵に尋ねる。
正直に言えばインフェルノの装備さえあれば基本的にハードくらいならクリアはできてもおかしくはないのだが、葵は得意なゲームと苦手なゲームがハッキリと分かれているのでノーマルでちょうどいいらしい。
「にゃ、にゃ~ん・・・・・・」
「よーしよしよし」
鳴き声をあげる猫を竜は優しく撫でる。
竜の撫で方に猫は気持ち良さそうに目を細めた。
「・・・・・・やっておいてなんだけど。お姉ちゃん、恥ずかしくないの?」
竜の膝に頭を乗せている猫──耳をつけた少女、“あかねこ”を見ながら葵は尋ねる。
葵の顔はやや赤く染まっており、自分と同じ顔である茜のしていることを間接的に自分もやっているようにイメージして恥ずかしくなっているようだ。
「め・・・・・・・・・・・・・・・・・・っちゃ、恥ずいんやから言わんといて」
「葵さんや、茜と俺を繋いでおいてそれかい。俺も恥ずかしいんだが・・・・・・」
葵の言葉に茜は顔を両手で隠しながら答える。
しかし隠れきれていない隙間からは顔が赤くなっていることがハッキリと見えており、耳まで赤くなっていることが誰の目にも明らかになっていた。
現在、茜はうまく身動きがとれないように拘束されており、その頭は竜の膝の上に固定するように繋がれている。
手持ちぶさたになってしまっていてついつい茜の頭を撫でてはいるが、それでも竜も恥ずかしさは感じているようだ。
「でも、罰ゲームだし・・・・・・。絶対に嫌だって言うならはずすけど・・・・・・」
「別に嫌ってわけじゃないが・・・・・・。こう、クラスメイトが膝に頭を乗せてるのはドキドキしてな・・・・・・。・・・・・・・・・・・・しかもかわいいし」
「ッ~~~!!!そ、そういうことは言わなくていいんや!」
「うぐふぅっ?!」
葵の言葉に竜は否定しつつ、最後に小さく付け加える。
少し離れた位置にいた葵とみゅかりさんの耳にその言葉は届かなかったが、竜の膝の上に頭を乗せている茜の耳にはその言葉はハッキリと届いていた。
聞こえてきた竜の言葉に茜はさらに顔を赤く染め、声にならない悲鳴をあげつつ竜の腹部へと頭突きを叩き込んだ。
そこそこの威力の頭突きに声を漏らす竜のことなど気にせずに茜はグリグリと頭を竜の腹部に押し付けるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ