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下駄箱の上に置いてある植木鉢に植えておいた梅の木の枝の急成長の驚きから回復した竜はひめとみことを連れてリビングに移動する。
また、家に入ったためについなは竜の制服のポケットから飛び出して元のサイズに戻っていた。
「そんで?遊びに来たとは聞いたけど何かしたいとかあるのか?」
「んー・・・・・・」
「そうですね・・・・・・」
リビングに移動した竜はひめとみことをソファーに座らせ、何をやりたいのかを尋ねる。
竜の質問にひめとみことは腕を組んで考え始めた。
どうやら、とくになにかをしたいという考えはなくて、暇だったから遊びに来たような感じらしい。
「あ、それなら気になっとるものがあったばい!」
「気になってるもの?」
「ううぅ・・・・・・」
ポン、と手を叩いてひめがやや大きな声をあげる。
いきなりひめが大きな声を出したことに驚いたのか、ひめの隣に座っていたみことの体がビクリと小さく跳ねた。
小さく跳び跳ねたみことの姿に竜は思わず笑みをこぼしつつ、ひめがなにを気になっているのかを尋ねる。
竜の表情から驚く姿を見られたことに気がついたのか、みことは恥ずかしそうにうつ向いてしまった。
「そうそう、たまーに学生の子たちがやっとるのを見て気になっとったんよ」
「あー・・・・・・、あれのことったいね」
ひめの言葉からなんのことを言っているのかを理解したのか、みことも納得したようにうなずく。
言いたいことを伝えられたと満足そうな2人だが、竜からすれば結局なにをしたいのかが分からずじまいなため、首をかしげることしかできなかった。
ちなみに、ひめとみことが考え始めた辺りでついなはお茶の用意をするために台所に向かっていた。
もうしばらくすればホッと安心できるお茶が用意されることだろう。
「学生がやってるって・・・・・・、結局なにをやりたいんだ?」
「ピコピコったい!」
「ピコピコ、ですね」
改めて竜は2人に何をやりたいのかを尋ねる。
竜の言葉に2人は顔を見合わせ、何をやりたいのかを答えた。
まぁ、その答えた内容がどうにも子供のような見た目の2人とはあまり噛み合わないような・・・・・・、ハッキリと言ってしまえばお年寄りのような答えだったのだが。
「ピコピコ・・・・・・、ってーとゲームのことか?」
「うん!」
「そうですね」
念のために確認をすると、2人はしっかりとうなずき返す。
2人の言っているピコピコがゲームのことで間違いないと分かった竜はゲームの準備を始めた。
そこにお茶の用意を終えたついなが台所から戻ってきた。
「なんや、ゲームするんか?」
「ああ、2人がやってみたいって言ってね」
「おー、これがそうなんね?学校で見たんとはけっこう違うったい?」
「ひめ、学校で見てるのはきっと持ち歩けるやつったい。きっとこっちが本当のやつけん」
竜がゲームの準備をしていることに気がついたついなはお茶の用意をテーブルの上に置き、不思議そうに竜に尋ねる。
ついなからしてみればお茶をしながら会話を楽しむものだと思っていたので、ゲームの準備をしているのは少しだけ意外だったのだ。
ついなの言葉に答えながら竜がゲームの準備をしていくと、興味深そうにひめとみことが準備しているゲームを覗き込んできた。
やはりというべきか、2人が学校で見ていたゲームは携帯ゲーム機のようで、据え置き型のゲーム機にとても興味深そうにしていた。
そして、ゲームの準備を終えた竜は人数分のコントローラーを持ってソファーに座った。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ