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竜からゲームのコントローラーを受け取ったひめとみことは興味深そうにスティックを動かしたり、ボタンを押したりしている。
そんな2人の様子に竜は笑みをこぼしつつ、ゲームの電源を入れた。
「うちもやるんか?」
「まぁな。人数が多い方が楽しいだろ?」
「うちはなんでもいいったい!」
「ボクもよく分からないのでお任せします」
自分にもゲームのコントローラーを渡されたことについなは不思議そうに首をかしげながら竜に尋ねる。
ついなの言葉に竜はうなずきながら起動したゲーム“大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL”を準備していく。
竜がスマブラを選んだ理由は、まだ持っているゲームの中では操作も分かりやすく、複数人でプレイすることができるからだ。
「うし。んじゃ、まずは好きなキャラクターを選んでくれ。一応、いまのところ出ているキャラクターは全部出してあるはずだから」
「ふむ。ならうちはピカチュウを使ってこかな」
「んー、よく分からんっちゃけど・・・・・・。うちはこの緑色の恐竜にするばい!」
「ひめ、ヨッシーって名前が出てるったい。ボクは・・・・・・、このシズエさんっていうのにしようかな」
竜の言葉についなはピカチュウ、ひめはヨッシー、みことはシズエさんを選択していく。
ちなみに竜は無難に使い慣れているカービィを選択していた。
そして、まずは操作になれる必要があるということで、障害物もなにもない“終点”と呼ばれるステージでゲームが始まった。
「それじゃあ、さっそく説明を・・・・・・、って、オイィィィィイイイイッッ?!」
「おー!走る走る!みこと走ってるったい!・・・・・・あ、落ちた」
「ひめぇッッ?!」
「えー・・・・・・、なにしとるんや・・・・・・」
ゲームが始まってキャラクターを自由に動かせるようになったのを確認した竜が説明をするために口を開いた瞬間、ひめの操作している緑色の恐竜、ヨッシーがすさまじい勢いで走りだし、そのまま止まることなくステージの足場から飛び下りて画面外に消えていった。
あまりにも突然のことに竜とみことは驚き、ついなは困惑している。
そんな3人のことなど気にもせずに、自分の操作するキャラクターが落ちていったことが面白かったのか、ひめはケラケラと笑っていた。
「・・・・・・よし、まずはいったんコントローラーを落こうか」
「えー、もっと動かしたいっちゃけど・・・・・・」
「このままやったらひめが落ち続けるだけばい。やけんもっと操作を覚えるまでコントローラーに触るのは禁止ったい」
「ゲームを始めて最初に教えることがコントローラーを触らないこととか前代未聞やと思うんやけど・・・・・・」
ひめの奇行に頭に手を当てていた竜だったが、少しだけ落ち着いたのかひめにコントローラーを置くように指示を出す。
竜の指示にひめは不満そうにしながらコントローラーを置いた。
ゲームを教えるためにコントローラーを置く。
なかなか聞かないワードについなは呆れたような視線をひめに向ける。
ついなのそんな視線にみことはソッと目を逸らした。
「まず大前提だ。このゲームは落ちたり、画面外に飛ばされたりしたら負けになる」
「へー・・・・・・、あり?とゆーことはいま、うちは負けとるん?」
「そういうことになるったいね」
「まぁ、操作になれてへんのやから仕方ないんやない?」
竜の説明にひめはコテンと首をかしげながら聞き返す。
ひめの言葉にみことはうなずき、ついなは苦笑しながら頬を掻いた。
まぁ、誰も始まってすぐにいきなり走り出してステージから飛び降り、消えていくなんてことは予想できないはずなので、ついなが苦笑してしまうのも当然の反応だろう。
「これなら壁のあるステージにした方がよかったかもなぁ・・・・・・」
選択したステージに若干の後悔を覚えながら竜はスマブラの操作の説明を続けるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ