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お風呂に入ってサッパリとした竜はひめとみことの2人をタオルで体を拭いて水気をしっかりと取り除いていく。
竜は2人よりも先にお風呂から出て先にパジャマを着ていた。
ある程度は本人たちに体を拭かせてはいたのだが、ひめとみことの2人は背中の方がうまく拭けず、そこは竜が拭いてあげた。
「そういえば2人は服とかどうするんだ?」
あまりにも普通にお風呂に入ってきていたために竜は今さら気づいたのだが、ひめとみことは最初に着ていた服以外になにも持っていなかったはずだ。
その事に気がついた竜は2人に服をどうするのかを尋ねる。
さすがに同じ服を着るというのはお風呂に入った意味がなくなってしまうので避けておきたいところなのだが。
竜の言葉に2人は少しだけ考えるような仕草を見せた。
「んー、竜お兄さんの服は借りれんと?」
「さすがに下着とかはいいですけど。大きめのシャツでも借りられれば・・・・・・」
「まぁ、それは別に構わないが。・・・・・・もしかして泊まるのか?」
そう言ってひめとみことは竜の顔を下から覗き込む。
身長差があるために自然と2人の目線は上目使いになっており、竜は頬を掻きながら答えた。
服を貸すことに許可を出した竜は、もしかして2人が家に泊まるつもりなのではないかと確認をとる。
そんな竜の言葉に2人はためらうことなくうなずいた。
「・・・・・・あいよ。んじゃ、ちょっと適当な服を取ってくるから。寒くなりそうならもう一回お風呂に入って温まっておきな」
2人がためらいなくしっかりとうなずいたことに竜は軽く頭に手を当てる。
そして、2人の着れる服を探すためにお風呂場をあとにした。
◇ ◇ ◇
自分の部屋から適当なシャツを2枚手に持ちながら竜はお風呂場に向かう。
2階の自分の部屋から階段を降りてきたところで、竜はついなの声が聞こえないことに気がついた。
いつもというわけではないが、ついなは時おり鼻唄を歌ったりしながら家事をしていたりするので、ここまで声が聞こえないというのは少しばかり不思議だった。
「ついな~?」
声が聞こえないことが気になった竜は2人分のシャツを持ちながら先ほどまでのついなたちがいたはずのリビングを覗いてみた。
リビングの電気は点いているのだがどこにもついなの姿は見つからず、不思議そうに竜は首をかしげる。
と、ここで竜の耳になにかが動いているかのような音が聞こえてきた。
それはゴソゴソというような音で、どうやら台所の方から聞こえてくるようだった。
聞こえてきた音に警戒をしながら、竜は台所へと向かう。
「・・・・・・ついなっ?!」
「むー!むむむー!」
竜が音の聞こえてきた台所を覗き込むと、そこには両手両足、そして口を木で拘束されたついなが転がされていた。
予想外の状況に竜は慌ててついなの口を塞いでいる木を外す。
「ぷはぁ・・・・・・。助かったぁ・・・・・・」
「なんでそんな状態になったんだ?」
ついなのことを拘束していたものが木だったことからひめかみことがついなのことを拘束したのは明白。
竜はどうしてそのような状態になったのかをついなに尋ねた。
「いや、あの子らがご主人と一緒にお風呂に入る言うとったから注意をして止めたんやけど・・・・・・」
「そのまま捕まって拘束されたのか・・・・・・」
ついなの腕と足を拘束している木を取り、竜は呆れたように頭を抱える。
そして竜は2人分のシャツを持ってお風呂場へと向かっていった。
竜がお風呂場に戻ってからすぐのこと、2人分の短い悲鳴などが聞こえてきたのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ