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ひめとみことが泊まった翌日。
竜は腹部への衝撃によって目が覚めた。
衝撃といってもそこまで強いものではなく、強いて言うなら仔猫が飛び乗ってきたか程度のものだった。
「朝ったーい!」
「ひめ、いくらなんでも飛び乗るのはやりすぎばい・・・・・・」
腹部への衝撃と同時に聞こえてきた声からひめが飛び乗ってきたのだということを竜は理解する。
竜が目を開けると、そこには竜のお腹の上で横になっているひめの姿と、その隣で立ってオロオロとしているみことの姿があった。
首を動かして周囲を確認したところ、ついなの姿が見えないので竜は自分が1番最後な
まで寝ていたのだと分かった。
と、ここで竜は自分の上に乗っているひめの重さがそこまで感じられていないことに気がついた。
よくよく思い返してみれば腹部に感じた衝撃もひめが飛び乗ったにしては軽すぎるもので、竜は不思議そうにひめを見る。
「うん?どしたと?」
「いや、なんか、あまり体重を感じないのが不思議でな」
竜の視線にひめは首をかしげながら尋ねる。
そんなひめに竜は疑問に思っていることを答えた。
「それは、まぁ、ボクたちも梅の木の精ですから。体重を軽くしたりするくらいなら自在ったいね」
「ほーん。そんなもんなの、かっ?!」
竜の疑問にひめを竜の上からどかそうとしながらみことが答える。
みことの答えに竜は納得して軽くうなずいていると、いきなりひめの重さが大きくなった。
いきなり感じられる重さが増えたことと、不意打ち気味に腹部に重さがかかったことによって竜は一瞬だけ呼吸が止まってしまう。
しかし呼吸が止まったのは一瞬だけだったため、すぐに竜は自分の上に乗っているひめを捕まえて腹部から持ち上げた。
「げほっ・・・・・・げほっ・・・・・・、いきなりなにすんだ・・・・・・」
「お腹が空いて、
「ボクも、少しお腹が空いてきたっちゃね」
腹部への衝撃から咳き込みながら竜はひめを見る。
ひめは竜の言葉に答えずに、クッタリと体から力を抜いて倒れてしまっていた。
どうやらお腹が減ったことによって体の重さを軽くするコントロールが利かなくなったようだ。
同じようにみことも自身のお腹をさすりながら言う。
「お腹、っていうことは霊力か?」
「そうったいね。一応、近くにいるだけでも少しずつお腹は膨れるっちゃけど・・・・・・」
「できれば直接もらった方が早くお腹は膨れますね」
竜はついなが自分の霊力を吸収することで食事をしていたことを思いだし、もしかしたらと思って2人に尋ねてみた。
竜の言葉に2人はうなずき、体に触れて霊力を送ってもらった方が早くお腹が一杯になると答えた。
2人の答えに竜は2人の手を取る。
「っと、こんな感じだったかな」
「ふぇ?ふぁ、ああぁぁぁっぁあぁああぁ?!」
「え?んぅ、うううぅうぅううっぅうぅ?!」
そして、いつもついなに霊力を与えているのと同じような感覚でひめとみことに霊力を流し込んだ。
竜が2人に霊力を流し込んだ直後、2人は大きな声をあげながら座り込んでしまった。
2人がいきなり大きな声をあげたことに竜は驚き、思わず2人から手を離す。
「だ、大丈夫か・・・・・・?」
「はぁ・・・・・・、はぁ・・・・・・。竜お兄さん・・・・・・、いきなりは・・・・・・、ダメったい・・・・・・」
「ボクたちは・・・・・・、竜さんの霊力に・・・・・・ん、慣れて・・・・・・、ないったい・・・・・・」
大きな声をあげた2人に竜は大丈夫なのかを尋ねる。
竜の言葉にひめとみことは荒い呼吸をしながら答えた。
どうやらついなに霊力を与えるのと同じ感覚で2人に霊力を与えたのが原因だったようだ。
「す、すまん・・・・・・」
荒い呼吸をしながら恥ずかしそうに顔を赤くする2人に竜は謝ることしかできなかった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ