“ヴァーチャルランド”の元ネタにしているのは有名なあの遊園地です。
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竜とあかりが“ヴァーチャルランド”の中に入ってしばらくしたあと。
“ヴァーチャルランド”の入り口の門の上に4つの影が降り立った。
「ぎゅぎゅん?」
「みゅあぅ・・・・・・」
「忍ビ込ムー?」
「ソレハ犯罪ー」
門の上から“ヴァーチャルランド”の中を眺めながら4匹は相談するかのように鳴き声をあげる。
どうやら“ヴァーチャルランド”の中に入りたいようだが、お金を払わずに忍び込むことは悪いことだと認識しているようだった。
「ぎゅん!ぎゅんぎゅぎゅぎゅーん!」
「みゅぅ・・・・・・。みゅーみゅみゅ」
「シャーナイナー」
「ソレシカナイネー」
コテンと首をかしげていたけだまきまきが不意になにか提案をしたのか、みゅかりさんたちはコクリとうなずいた。
そして、4匹は向かい合ってそれぞれの手やそれに類似している部位を出す。
「ぎゅんぎゅん!」
「みゅみゅあぅ!」
「ジャーンケーン!」
「ポンー!」
けだまきまきは頭部から生えているアホ毛のようなものを、みゅかりさんは前足を、ピンク色のスライムのような生き物は触手を、青色の布のような生き物は自分の体の端の部分を使ってじゃんけんを始めた。
けだまきまきと青色の布のような生き物はじゃんけんができないのではないかと思うかもしれないが、意外なことに器用に広げる大きさなどを調節してグーチョキパーを表現していた。
「ぎゅんぎゅぎゅー、ぎゅーん!」
「みゅーいぃぃぃ・・・・・・」
「ウチトミュカリンカー・・・・・・」
「オ願イネー」
どうやら熾烈なじゃんけんの勝負に勝利したのはけだまきまきと青色の布のような生き物のようで、嬉しそうに鳴き声をあげていた。
嬉しそうな2匹とは対照的にみゅかりさんとピンク色のスライムのような生き物はガックリと落ち込んだ様子を見せていた。
そして、じゃんけんを終えた4匹は門の上から降りて少し離れたところにある物陰に消えていくのだった。
◇ ◇ ◇
“ヴァーチャルランド”の園内。
竜とあかりは最初にあかりのオススメするアトラクションに乗るために移動していた。
「やっぱり遊園地と言ったらジェットコースターは外せないと思うんですよね」
「わかる。乗っておかないとなんか物足りない感があるよな」
竜とあかりの会話から分かるように、2人はいまジェットコースターに向かって移動している。
異論はあるかもしれないが、ジェットコースターは遊園地においてもっとも人気のあるアトラクションであり、乗らないという人はほとんどいないのではないだろうか。
「まぁ、やっぱりけっこう並んでいるよな」
アトラクションの入り口近くに着いた竜とあかりの前に広がっているのは順番待ちで並んでいる人たちの姿。
入り口近くと言っていることから分かるように、順番待ちで並んでいる人たちは入り口から外にまで並んでおり、このアトラクションがかなり人気なことが分かる。
アトラクションの入り口にはどのくらいの時間を待たなくてはいけないのかが分かるように看板が置かれており、そこには『おおよそ1時間待ち』という文字が書かれていた。
「こりゃあすぐには乗れなさそう、か」
「すごいですよねー」
並んでいる人たちの多さに竜は困ったように頬を掻く。
どちらにしても並ばなくてはアトラクションに乗れないので、竜は並んでいる人たちの最後尾に向かおうとする。
「あ、竜先輩、大丈夫ですよ」
「え?」
並んでいる人たちの最後尾に向かおうとしていた竜の腕を掴み、あかりは入り口の方へと向かっていった。
このアトラクションに乗るのであれば並ばなくてはいけないのではないか。
迷いなくアトラクションの入り口に向かうあかりの姿に竜は首をかしげる。
「すみません。お願いしますね」
「これは!はい、確認いたしました!こちらへどうぞ!」
「ええぇ・・・・・・」
“ヴァーチャルランド”ではどのアトラクションの入り口にもスタッフがおり、そのスタッフにあかりは自分と竜の腕に着けてあるリングを見せた。
あかりと竜の腕に着いているリングを確認したスタッフは驚いた表情を浮かべると、すぐに専用の入り口らしき場所を開放して2人を迎え入れる。
順番待ちすらしないで済むという事実に竜はただただ困惑することしかできなかった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ