12月になりました。
寒さも厳しくなってきますので皆さまも体調に気をつけてください。
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慌てて走っていった人たちの後を追い、竜はついなを頭の上に乗せたまま歩く。
向かう先の方を見ると、なにやら人が集まっていることが分かる。
しかし、見たところなにかイベントをやっているというような感じはなく、慌てた様子で集まっている人たち以外に変わったことはないように見えた。
「なんかイベントでもやってるのかと思ったけど・・・・・・。そうでもないのか?」
「見た感じ慌ててるのは集まってきている人たちだけみたいやね」
目の前に広がっている光景を見ながら竜とついなは首をかしげる。
竜が首をかしげた際についなが少しだけ滑って竜の頭から落ちそうになったが、すぐに竜の頭にしがみついたので落ちることはなかった。
「本当にここで見たんだろうな?!」
「俺も聞いただけだから知らねーって!」
「“
この人たちはどうして集まってきたのかと竜とついなが首をかしげながら見ていると、言い争うような声が聞こえてくる。
よく見れば集まってきていた人たちはなにかを探すように周囲を見回していることに竜とついなは気づいた。
「“UNA”?なんだっけ、なんか聞き覚えが・・・・・・」
「ご主人はドラマとかあんま見いひんからなぁ。たしか、有名なジュニアアイドルのはずやで」
聞こえてきた誰かの名前らしきものに竜が首をかしげていると、ついなが誰の名前なのかを答えた。
ついなはときどきドラマなどを見ており、そのときに出演していたジュニアアイドルである“
「となると、ここにいる人たちはその“UNA”って子を見かけたから集まってきたってことか?」
「まぁ、聞こえた限りではそういうこっちゃな」
どう見てもなにかの撮影とかをしている様子のない周囲の景色と慌てた様子の人たち。
これらのことから誰かしらが“UNA”の姿を見かけてそこから騒ぎが大きくなったということなのだろう。
ジュニアアイドルである“UNA”を探すために集まってきた人たちの姿は一言で言うのなら、『このロリコンどもめ!』といったところだろう。
ジュニアアイドルにそこまで興味のない竜はここにいる意味はないと判断し、お昼ご飯を食べるために別のところに向かうことに決めた。
「ん・・・・・・?」
ふと、竜は視界の端になにやら青いものが揺れていることに気がついた。
不思議に思って少し近づいて観察してみれば、路地の影に隠れるようにしてなにやら青いものがはみ出しているのだということが分かった。
「なんだあれ?」
「よう分からんけど、なんか隠れとるみたいやね?」
よく分からない青いものがはみ出している光景に竜とついなは首をかしげる。
しばらく竜とついながはみ出している青いものを見ていると、なにやら小さな音が聞こえてきた。
「ついな、じゃないか。となると・・・・・・?」
「まぁ、そこに隠れとる人なんやろなぁ」
竜とついなの耳に届いた小さなキュクルゥ~という音。
聞こえてきた音に竜はチラリとついなを見たが、ついなは首を横に振って否定し、目の前の路地に隠れているであろう人の方を指差した。
「あの・・・・・・、大丈夫ですか?」
聞こえてきた音の主が目の前で隠れている人なのだろうとあたりをつけ、竜は声をかける。
すると、隠れていた人がチラリと顔を覗かせた。
「えっと、すみません。できれば騒がないでもらえたら・・・・・・」
「ふむ?よく分からないけど分かったよ」
隠れていた人、いや隠れていた少女は竜にお願いをする。
その声はかなり困っているようにも聞こえ。
竜はよく分からないままにうなずくのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ