寝違えの痛みがなかなか消えない・・・・・・
長引くと本当に辛いです。
・
ウナと出会った翌日の朝。
竜はやや眠い頭を働かせながら学校へ向かう準備を終えて家から出た。
「くぁ・・・・・・。まさかあそこまで面白いとは思わなかったな・・・・・・」
「せやね。さすがにドラマになっただけはあるってもんやったわ」
あくびをしながら呟く竜の言葉についなも竜の制服のポケットから顔を出しながらうなずく。
2人が話しているのはウナが猛烈に推していた漫画である“恋愛
昨日、家に帰ってからさっそく“恋愛Judgment”を読み始めた竜だったのだが、その内容の面白さから買った分である4巻までを一気に読んでしまったのだ。
しかも読み終わってからも何回も読み返しており、そのせいで竜は眠るのが遅くなってしまっていた。
「4巻まででここまで面白いとか、これは早く続きを買いたいところだな」
「うんうん。ドラマとの違いも面白かったし、続きがはよ読みたいもんなぁ」
“恋愛Judgment”の最新巻は昨日ウナが買った15巻で、竜が買ったのが4巻まで。
半分どころか3分の1にすら届いていない量でここまで面白いと思える漫画に出会えるというのは本当に幸運で、“恋愛Judgment”を買う切っ掛けをくれたウナに頭の中で感謝の言葉を送った。
「おーっす!おはようさんやー!」
「竜くん、おはよう」
「おはようございます。今日は1人なんですね?」
「おう、おはよう。ああ、なんかあかりはやることがあるから早めに行かなくちゃいけないんだと」
竜とついなが会話をしているといつものように元気の良い茜の声が聞こえてきた。
茜の声のした方を見れば、茜、葵、ゆかりの3人が向かってきていることが確認できた。
3人の姿を確認した竜は軽く手を振りながら応える。
竜の家の前に竜しかいないことに不思議に思ったゆかりが尋ねると、竜は朝にあかりから送られてきたメッセージを見せながら自分しかいない理由を教えた。
竜の言葉に茜たちは納得し、4人は学校に向けて歩き始めた。
「いやぁ、昨日“恋愛Judgment”の漫画を凄い勢いで推されてな。それで興味が湧いて4巻まで買ってみたんだよ。そしたらかなり面白くてさ。何回も読み返しちまったよ」
「お、竜も読み始めたんか。ええよな、漫画とドラマでも違う面白さもあるし」
「だからちょっと眠そうだったんだね?」
「あれ?ですが昨日は1人で出歩いていたのでは?」
学校へ向かう道を歩きながら、竜は茜たちにも“恋愛Judgment”が面白かったということを伝える。
竜の言葉に茜は同意するようにうなずき、葵は少しばかり眠そうにしている竜に納得したように苦笑する。
ふと、ゆかりは竜が昨日、メッセージアプリに『1人でゲーセンー』と呟いていたことを思い出して尋ねる。
まぁ、正確には1人ではなくついなを含めた2人で行動していたのだが、その辺りは結局は見えない人にとってなんの関係もないのだった
竜が1人で出歩いていたのであれば“恋愛Judgment”を推されるということはほとんどないはずだ。
もしかしたら店員がおすすめとして紹介をしたのかもしれないが、それでも凄い勢いで推すということはほとんどしないだろう。
そういった点からゆかりは竜が本当に1人で出歩いていたのかを疑問に思ったのだ。
「あー、まぁ、途中で仲良くなった子がいてな。その子が“恋愛Judgment”を大好きだったんだよ」
「ほぉ・・・・・・」
「へぇ・・・・・・」
「なるほど・・・・・・」
竜の言葉に3人は少しだけ低い声が漏れ出てしまう。
そんな3人の様子に気づかずに竜は学校への道を歩くのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ