空気が乾燥して喉が・・・・・・
加湿器は必須ですね。
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ゆかり、茜、マキの3人によるじゃれあいの喧騒を聞きながら、竜はどうしたものかと頭を悩ませる。
悩みの対象はマキの肩凝り・・・・・・の原因となっているであろう肩に乗っている女性について。
竜以外に誰も反応をしていないことから女性が人間ではないということは明確であり、霊的な存在なのだろうということはうかがえた。
ちなみに葵は3人を落ち着かせようとアワアワとした表情で困っている。
「・・・・・・いな、あれは」
「せやね、憑かれとるわ。でも、なんやあの女の霊、普通の霊とはちぃと違わへん?」
自分の制服のポケットを軽く叩き、竜はついなの名前を呼ぶ。
竜の声についなはマキを見ながらうなずき、少しだけ不思議そうな表情になった。
「普通の霊と違う?まぁ、たしかに今までに見た霊よりも表情が柔らかいというか、血色が良さそうに見える、かな?」
「霊に血色とかあるんか?」
ついなの言った普通の霊とは違うという言葉に、竜は今までに見てきた霊と違う点を挙げていく。
今までに見てきた霊たちはどれも恐ろしいような恨めしいような眼をしたものばかりで、それらと比べるといまマキの肩に乗っている女性の霊からはそういった雰囲気を感じられなかった。
まぁ、竜の言う血色が良さそうというのはちょっとなに言ってるのか分からないが。
「うん?ご主人、あれを見てみい」
「あれ?・・・・・・なんかあの女の人の足から紐みたいなのが伸びてるな?」
そう言ってついなは女性の霊の足を指差す。
見れば女性の霊の足からはなにか紐のようなものが伸びており、それが校舎の中へと向かっていた。
紐のような、とは言っているが本当に紐というわけではなく、なんと表現すれば良いか。
よくあるお化けのイラストの足の方のニョロっとした部分が女性の霊の足から細長く伸びているとでも言えば良いのだろうか。
「なんだあれ?掃除機の電源コードみたいだな」
「まぁ、電源と言えば電源かもしれんわな。あの女の霊、生き霊や」
「生き霊?」
女性の霊の足から伸びているものに気がついた竜は首をかしげながら呟く。
そんな竜の言葉についなは苦笑し、女性の霊の正体を見抜いた。
生き霊。
それは読んで字の
生きているのに霊体、つまりは魂が出ていて大丈夫なのかと思うかもしれないが、この生き霊というのは厳密には魂そのものではなく、強い思いによって生じた魂の欠片のようなものといったところだろうか。
そのため、生き霊が何をしているのかを本体である人間は基本的には知らないのだ。
まぁ、なかには生き霊と繋がって情報収集をしたり、寝ている間に生き霊の記憶を読んだりする人間もいたりするのだが。
「生き霊、生き霊か・・・・・・。しかも見た感じ先輩、だよな」
ついなの言葉に竜は女性の霊の服装を見ながら
女性の霊の格好はアレンジこそ加えられているものの、ゆかりたちが着ている制服とほとんど同じであり、唯一違うところがあるとすれば学年を表しているリボンの色だろう。
「まぁ、とくになんかしら害を与えようって霊ではなさそうやし、放っといてもええんちゃう?」
「いや、でもマキに被害が出てるし。とりあえず無理やり引き剥がしてみるか」
大きな害のようなものもないし、悪いことをしようという雰囲気も女性の霊からは感じられないため、ついなは放置しても良いのではないかと竜に言う。
ついなの言葉に竜は首を横に振り、マキの肩に乗っている女性の霊へと近づくのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ