1時に間に合わなかった・・・・・・
遅れたのが悔しいなぁ・・・・・・
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カートに乗った恐竜や亀、配管工がアイテムを拾い一位を目指して争う。
そんな危険なレースを竜たちはプレイしていた。
「さぁ、この赤甲羅を食らうがいいのです!」
「甘いぞ!そんな攻撃はウナの緑甲羅で防げるんだぞ!」
「とりあえずキノコ使っとくか」
竜の前方、一位と二位をウナときりたんが熾烈な争いをしている。
きりたんが操作する緑色の配管工の投げた赤色の甲羅を投げれば、それを防ぐようにウナの操作しているピンク色の恐竜が後ろに緑色の甲羅を設置して赤甲羅を防ぐ。
少しでも気を抜けばその順位は一気に入れ替わるだろう。
「あ、抜けた」
「あー?!?!」
「ええええっ?!?!」
2人が争っている横を竜の操作している緑色の恐竜がキノコによる加速で一気に追い抜いていき、そのままゴールに入り込んだ。
まさかの事態にきりたんとウナは驚きの声を上げる。
そして、そのままレースが終了となった。
「おおう、まさかの勝利」
「ぐぬぬぬ・・・・・・」
勝てると思っていなかったために竜は驚いた表情のままコントローラーを置く。
そんな竜にきりたんは抜かれたことが悔しかったのか、歯を食いしばっていた。
「もう一回!もう一回勝負です!」
「ウナももう一回!」
「おう、次も勝てるかは分らんがやるぞ」
よほど負けたことが悔しかったのか、きりたんは竜の膝を叩きながら再戦を要求する。
きりたんの言葉に同意するようにウナも反対側の竜の膝を叩く。
2人の言葉に竜はもう一度コントローラーを手に取り、ゲームを再開するのだった。
「バニャーニャッ!!」
「なんでピンポイントで当てられるんですか?!」
「ええ、ウナには無理だなぁ」
「ふはははは!私のキラーの餌食になるのはどこのどいつですかー?」
「でもこれって端にいると当たらないんだよな」
「ウナは後ろにいるから関係ないなぁ」
「お、スターだ。行くぞ東北ー!」
「ちょ、なんで私だけを狙うんですか。って、うわぁあああっっ?!?!」
「いや、スター状態で2人で落ちていくんかい・・・・・・」
竜たちがゲームをしていると、不意に玄関が開く音が聞こえてきた。
どうやら誰かが帰ってきたらしい。
「あら、きりたん。公住くんたちと遊んでいたのね」
「あ、ずん姉さま。おかえりなさい」
帰ってきたのはどうやらずん子だったようで、ゲームをしているきりたんたちに気がつき声をかけてきた。
ふと、竜がずん子の後ろを見ると制服を着ている人たちがいることに気がついた。
「会長の妹さんですか?」
「へぇ、とても可愛らしいですね」
そういって2人はきりたんのことを興味深そうに見る。
制服につけられているリボンの色はずん子と同じ、つまりはこの2人はずん子と同じ学年ということなのだろう。
知らない人が来て驚いたのか、ウナは竜の後ろに隠れてしまった。
「ん・・・・・・?」
きりたんのことを見ている2人のうちの1人の顔を見て、竜はふと見覚えのようなものを感じる。
どこで見た覚えがるのか、それが思い出せず、竜は腕を組みながら首をかしげる。
「えっと、そっちの子は・・・・・・。あ、ああああああっっ!!!」
「ちょ、どうしたのよ」
きりたんを見るのに満足した2人が顔を上げ、竜の方を見る。
直後、2人のうちの1人が竜のことを指さして大きな声を上げた。
いきなり大きな声を上げたことにもう1人は不思議そうに尋ねる。
「この子!この子なんだよ。朝、教室で話した子!」
「ええ?朝話したって、あなたが夢の中で胸を揉まれたって話でしょ?きっと偶然よ」
「・・・・・・あー、思い出した。今朝、マキに憑いていた生霊の人だ・・・・・・」
2人が話している内容を聞き、竜はようやく目の前にいるのが今朝、胸を掴んで追い払うことになった女性の生霊の本体なのだということに気がつく。
そんな竜たちの様子にきりたんたちは不思議そうに首をかしげるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ