変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第14話

 

 

 

 

 マキとゆかりの差し出してくるお弁当のおかずを食べ終わったパンの袋の上に置いてもらい、竜は小さく息を吐く。

 竜の指摘によって自分が何をしようとしていたのかを理解したマキの顔は赤くなっていた。

 ちなみにゆかりの方も表情になにも変化が見られないように見えて、耳がうっすらと赤く染まっている。

 

 

「えっと、次からは気をつけろよ?人によっては勘違いするやつとかもいるだろうから」

「う、うん。ごめんね」

「そうですね。次からは気をつけます」

 

 

 頬を掻きながら竜はマキとゆかりに気をつけるように言う。

 

 2人のような美少女に箸でおかずを差し出されるのは男の夢の1つに含まれそうなシチュエーションなため、大半の男子生徒が勘違いすること間違いなしだろう。

 その証拠に竜に対して嫉妬の込められたクラスメイトたちの視線が集中している。

 

 竜の言葉にマキは恥ずかしそうにしながら謝り、ゆかりは平静さを装いながら答えた。

 

 

「ん、この卵焼き美味しいな」

「ほんと?。その卵焼きは私の自信作なんだよ!」

 

 

 貰ったおかずの1つ、マキから貰った卵焼きを口に運んで竜は思わずといった様子で感想を口にした。

 竜の言葉にマキは嬉しそうにガッツポーズをとる。

 そして胸が揺れてゆかりのSAN値が減少する。

 

 たかが卵焼きと思われるかもしれないが、卵焼きこそが料理人の腕を見極めるポイントと言っても過言ではない。

 味付けの濃い薄いに甘いしょっぱい、調味料の量を間違えれば一気にその味はバランスを崩す。

 次に焼き加減、これは固めが好きな人や、内側が半熟に近いものが好みの人などがいるので一概にどれが正しいとは言えないが、それでも焼き加減によって見た目や食感は決定させられるのだ。

 

 マキの作った卵焼きはほんのりと甘さを感じられるものの卵本来の味を殺さずに見事に調和がとれており、ほどよい固さで見た目もとてもキレイな卵焼きだった。

 

 

「マキさんの作る料理はとても美味しいですからね」

「えへへ、照れるね」

 

 

 自分のことでもないのに自慢げにゆかりは(ない)胸を張る。

 ゆかりの褒め言葉にマキは照れながら頭を掻いた。

 

 

「んで、ゆかりの方は・・・・・・、うん。主婦の味方の味って感じ?」

「料理は苦手なんです・・・・・・」

 

 

 ゆかりから貰ったおかずを口に運んで竜はなんとも言えないような表情で言う。

 竜の言葉にゆかりは顔をそらしながら答えた。

 マキは2人の様子からゆかりの出したおかずが冷凍食品のものだったのだと理解し、苦笑を浮かべる。

 

 

「あはは・・・・・・、ゆかりん、ちょっと前まではご飯も炊けなか────むぐっ?!」

「ちょ、マキさん、それは言わない約束でしょう?!」

 

 

 唐突なマキの暴露にゆかりは慌ててマキの口を塞ぐ。

 とはいえもうほとんど言ってしまっていたのであまり意味はなかったのだが。

 

 

「あ、ねぇねぇ。そういえば聞きたかったんだけどさ。竜くんが腕に着けてるのってゆかりんの髪を纏めてる輪っか?」

「うん?いや、俺のこれは最近仲良くなった動物に貰ったものだよ」

 

 

 自身の口からゆかりの手をどけてマキは竜に尋ねる。

 マキの言葉に竜は自身の腕に着いているアクセサリーと、ゆかりの髪を纏めている輪っかを見てから答えた。

 竜の答えにマキは不思議そうに首をかしげる。

 マキの知っている限りではその輪っかを着けているのはゆかりだけなので、他に着けている動物がいると言うことが気になったのだ。

 

 

「そうなの?」

「おう、俺も驚いたんだよ。っと、もうすぐ昼休みも終わるか。トイレ行ってくるわ。また機会があったらお昼に誘ってくれると嬉しいかな」

「ええ、次も是非」

 

 

 マキの言葉に頷き、竜は時計を確認して立ち上がり手を振りながら教室から出ていった。

 

 

「仲良くなった動物に貰ったもの、かぁ・・・・・・」

 

 

 教室から出ていった竜の姿を確認し、マキはなにかを察したような声音でゆかりを見る。

 そんなマキの視線にゆかりはそっと顔を逸らすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ
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