期間限定のものってなんだかんだで忘れることってありますよね。
自分はそこそこの頻度で忘れてしまうことがあります。
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ついなの作ってくれた晩ご飯も食べ終わり、竜たちはのんびりと食後の余韻に浸っていた。
例えて言うなら、ついなの料理には田舎のおふくろの味とでも言うかのような、そんな心を温めてくれるようなものがあるのだ。
竜と一緒に晩ご飯を食べていたみゅかりさんとけだまきまきもどこかポヤンとした表情を浮かべており、ついなの料理に満足していることがうかがえた。
「今日の晩ご飯も美味かったよ」
「やー、そう言ってもらえると作った甲斐があるっちゅうもんや。でもご主人、べつにご飯を食べるたびに言わんでもええんよ?」
「いやいや、毎回ご飯を食べるたびに思っていることだからな」
普段から竜がついなの作ってくれたご飯を食べた後に必ず言っていることなのだが、ついなはそのたびに嬉しそうに笑顔で答える。
そんなに頻繁に言っていては言葉に重みがなくなってしまうと思うかもしれないが、やはりこういったことはキチンと伝えていくことが大切なのだ。
竜がついなに晩ご飯の感想を言っていると、みゅかりさんとけだまきまきがジッと竜のことを見ていた。
2匹の視線に気がつき、竜は不思議そうに首をかしげる。
「みゅーみゅみゅ・・・・・・、みゅみゅみゅぅあ・・・・・・」
「ぎゅんぎゅぎゅ、ぎゅんぎゅーん!」
「どうかしたのか?みゅかりさんはなんか落ち込んでるみたいだけど・・・・・・?」
竜のことをジッと見ていたみゅかりさんはどこか落ち込んだ様子で、けだまきまきは気合いを入れるように鳴き声をあげた。
2匹がそれぞれ違った反応をしていることが気になった竜は2匹に向かって声をかける。
「みゅみゅい・・・・・・。みゅあーう、みゅあぁぁあ・・・・・・」
「ちょ、おわ?!どうしたんだよ?」
竜に声をかけられ、落ち込んだ様子を見せていたみゅかりさんが竜の首元に飛びつく。
みゅかりさんがいきなり飛びついたことに竜は驚くが、竜はみゅかりさんをなんとか受け止めることができた。
竜の首元に飛びついたみゅかりさんは、そのまま竜の首に前足を回してしがみつくと悲しげな鳴き声をあげる。
どうやら竜がついなに晩ご飯の感想を言っていたことからなにか悲しいことを考えてしまったらしい。
みゅかりさんがいきなり悲しそうに鳴き始めたことに竜は驚きつつ、みゅかりさんを落ち着かせるように背中の部分を撫でるのだった。
「いったいどうしたんだ?」
「ぎゅんぎゅぎゅ、ぎゅんぎゅーん」
みゅかりさんを落ち着かせるために撫でながら竜は首をかしげる。
そんな竜にけだまきまきが説明をするように鳴き声をあげながら体を動かし、アホ毛をブンブンとうごかす。
「ふむふむ」
「ぎゅぎゅん、ぎゅぎゅんぎゅぎゅんぎゅーん」
「え、ご主人は何を言っとるか分かるんか?」
けだまきまきの動きと鳴き声に竜がうなずいている姿に、ついなは驚きながら竜に尋ねる。
ハッキリ言ってけだまきまきの鳴き声は完全に「ぎゅんぎゅん」と言っているようにしか聞こえず、ついなには何を言っているのかはまったく分からなかった。
ついなの言葉に竜はキリっとした表情になり、ついなを見る。
「いや、まったく分からん」
「分かっとらんの?!」
「ぎゅぎゅん?!」
「みゅふっ・・・・・・。みゅ、みゅみゅ・・・・・・」
キリっとした表情の竜の口から発せられた「まったく分からない」という言葉についなは思わずツッコミを入れる。
このやり取りは竜がけだまきまきと出会ったときにもやっていたのだが、その時と同じようにけだまきまきはガビンッという擬音が聞こえてきそうな鳴き声をあげた。
そんな竜たちのやり取りに、みゅかりさんは思わずといった様子で笑うような鳴き声を漏らした。
それから、竜はみゅかりさんの気が済むまで背中を撫でるのだった。
ちなみに、みゅかりさんを撫でている途中でけだまきまきも飛びついてきたので、竜は2匹を抱きかかえながら撫でることになるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ