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下駄箱に向かっている最中にアイ先生に捕まった竜は生徒会室に資料を運ぶ手伝いをしていた。
アイ先生に捕まったことはすでにマキに連絡をしており、“cafe Maki”に一緒に行くことができないことも伝えてある。
「先生、俺以外に頼む人いなかったんですか?」
「いや、ちょうどよく目に入ったのが公住だったからな。まぁ、運がなかったと諦めてくれ」
資料を運びながら竜は思わずアイ先生に尋ねる。
竜としても普通に下駄箱の前でマキを待つ予定だったので、いきなりアイ先生に捕まるのは予想外のことだったのだ。
竜の言葉をアイ先生は資料を抱えながらバッサリと切り捨てる。
「それにしても・・・・・・、手伝いが必要なほどの量の資料ってなんなんですか?」
「この資料か?えっと、学校祭の予定の資料に体育祭の予定の資料、音楽祭の資料に留学生の資料だな。他の先生たちからもついでにと頼まれたものが多くてな」
運んでいる資料を見て竜は首をかしげながらアイ先生に尋ねる。
基本的に生徒会室に運ぶ資料というのは教師などがそこまで関わる必要のないものばかりであり、部活動からの嘆願や学校で使う備品の注文、過去の学校祭などの大きなイベントの詳細などとなっている。
そのため、ここまで大量の資料というのはなかなかないのだ。
竜の言葉にアイ先生はどうしてこんなに資料の量が多いのかを答えた。
「頼まれすぎじゃないですかねぇ・・・・・・」
「部活動の方に急いでいく必要があるとか言われてな。それでこんな量になってしまったんだ」
おそらくはアイ先生が運ぶだったはずの資料はどれか1つで少なかったはずなのだ。
しかしそれが何人かの他の先生たちからの頼まれごとのせいでここまで増えてしまっていた。
頼まれすぎたせいで資料の量が多くなってしまっているアイ先生のお人好しさに竜は思わず呆れたような声を出してしまうのだった。
「失礼するぞ」
「あら、アイ先生と公住くん。資料を持ってきてくれたんですか?」
「あ、はい。下駄箱のところでアイ先生に捕まったので」
生徒会室の扉を開け、アイ先生は近くの空いている机の上に持っていた資料を置いた。
生徒会室で書類の処理をしていたずん子はアイ先生と竜の持ってきた紙の束を見て資料を持ってきたのだと気づく。
「あらら、それは災難だったわね。でも資料を持ってきてくれてありがとう」
「いえ。えっと、それじゃあ、俺はバイトがあるんで失礼します」
「ああ。手伝わせて悪かったな」
竜の言葉にずん子は苦笑を浮かべ、資料を持ってくる手伝いをしてくれたことにお礼を言う。
ずん子の言葉に竜は短く答え、下駄箱に向かうために生徒会室の扉に手をかけた。
生徒会室から出ていく竜にアイ先生は声をかけるのだった。
◇ ◇ ◇
下駄箱に向かいながら竜はケータイを確認する。
ケータイにはマキからの連絡が入っており、先に“cafe Maki”に向かっているという内容だった。
「バイトの時間には間に合いそうやけど。ホントに災難やったね」
「そうだな。そういえば資料について聞いたときにアイ先生が興味深いことを言ってたな?」
ついなの言葉に答えながら竜は先ほどのアイ先生の言葉を思い返す。
竜が気になったのは留学生についてという資料。
竜たちの通っている学校にはいまのところ留学生は1人もいない。
つまり先ほど竜とアイ先生が運んでいた資料の中にはこれから来る留学生の資料も混ざっていたということになるのだ。
「留学生ってのがどんなのなのか。ちょっと楽しみだな」
「外国の子かぁ。うちも気になるなぁ」
留学生というものを漫画などでしか見たことのない竜は、少しだけワクワクとしながら“cafe Maki”に向かうのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ