お気に入りが減るのを見ると合わなかったんだろうなぁと少し寂しくなります。
まぁ、自分が書きたいものを書いているので合う合わないがあるのは当然なんですけどね。
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“cafe Maki”に着いた竜は荷物を置き、制服に着替える。
制服に着替える際、ついなは竜の制服のポケットに潜り込み、竜の着替えを覗かないようにしていた。
「おはようございます」
「ああ、おはよう。それじゃあさっそくだけど空いているテーブルの片づけを頼むよ」
制服に着替え終えた竜はキッチンで料理をしていたマキに父親に挨拶をする。
時間帯的に考えるとどう考えても「おはよう」という時間帯ではないのだが、そういうものなので気にしても仕方がないのだ。
マキの父親に言われ、竜は空いているテーブルの片づけに取り掛かることにした。
「おはようございます。・・・・・・えっと、マキはいないんですか?」
「あら、おはよう。ええ、ちょっとやることがあるからって言っていたわ」
テーブルを片づけながら店内をぐるりと見まわした竜は、先に“cafe Maki”に着いているはずのマキの姿がないことに気がつく。
マキの姿がないことに気がついた竜は、ちょうど近くを通りかかったマキの母親に挨拶をしつつマキがどこにいるのかを尋ねる。
竜の挨拶にマキの母親は応え、少なくともマキが帰ってきてはいることを答えた。
まぁ、マキは厳密には別にバイトとして働いているというわけではなく、私用で突発的に仕事を休むことができるのでなんの問題もないのだ。
マキの母親の言葉にとりあえずマキが家に帰ってきてはいるのだということを知れた竜はホッと息を吐いた。
「やることってのが少し気になるけど、帰ってきているのなら心配することもなさそう、かな」
「せやね」
マキのやることというのがなんなのかは気になるが、気にしすぎて仕事が
竜が片づけているテーブルの上ではついなも走り回っており、食器をまとめたり落ちているゴミを集めたりと竜の手伝いをしていた。
まぁ、はたから見れば食器が勝手に動いていたり、ゴミが勝手に集まっていたりとホラーに耐性のない人が見れば顔を真っ青にさせること間違いなしな光景となっているのだが。
そして、竜はテーブルの片づけや店内の掃除、完成した料理を届けたりとバイトに
◇ ◇ ◇
竜が“cafe Maki”でバイトをしている頃。
場所は変わって弦巻家のキッチンにマキとゆかりの姿はあった。
「さて、ゆかりん。手はきちんと洗ったね?」
「もちろんです。手首まできっちりと洗いましたよ」
神妙な表情を浮かべながらマキはゆかりに確認をとる。
マキはゆかりがキチンと手を洗っていることをちゃんと見ていたのだが、それでも念のためということで確認をとっていた。
ゆかりの言葉にマキはうなずき、ニンジン、ジャガイモ、玉ネギを取り出して並べる。
「それじゃあ、まずはニンジンからやっていこうか。包丁で皮を剝くのはまだ難しいと思うからゆかりんはピーラーを使ってね」
「分かりました。材料からして・・・・・・、カレーですか?」
「うん。カレーなら具材の切り方を失敗しても問題ないし、味付けに関しても基本的に失敗することはないからね」
用意した材料の中からマキはニンジンを取り、自分とゆかりの前に置く。
並べられている材料からゆかりは今から作るものがカレーだと推測しマキに尋ねた。
ゆかりの言葉にマキは肯定し、カレーを選んだ理由を答えた。
カレーは基本的に具材を切ってルーと一緒に煮込むことによって完成する。
具材を切るにしてもどんな形でもよく、味付けに関しても手作りでカレールーを作りたいとかでもない限り市販品のカレールーを使えばいい。
つまり、よほどのことがなければ失敗することのない料理で、初心者などが練習として手を出すにはちょうどいい料理なのだ。
まぁ、キチンと安全に包丁を扱うことができるという条件が付くのだが。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ