料理はできるけどめんどくさくてあまりやらないんですよねぇ・・・・・・
可能な限りやって忘れないようにしておいた方がいいんでしょうけどね。
・
でこぼこといびつに切られたニンジンやジャガイモ。
大きさが一定ではなく大きいものや小さいものが入り混じった玉ネギ。
完全に切れておらず、少しだけ長く繋がってしまっているお肉。
ルーと水の比率を間違えたのか、やや水っぽさを感じられるカレールー。
弦巻家での食事ではまず見られることのないような料理を竜、ゆかり、マキ、マキの両親で食べる。
「ううぅ・・・・・・。やはりこんなできでは・・・・・・」
「もー、ゆかりんは気にしすぎなんだってば」
マキが手伝ってくれたにも関わらずお世辞にも上手いとは言えないようなできとなってしまったカレーにゆかりは落ち込んだ様子で呟く。
落ち込むゆかりにマキは肩をやや強めにバシバシと叩きながら言う。
そんな2人の様子にマキの両親は微笑ましそうに笑みを浮かべながらカレーを食べていた。
「そんなに落ち込むことはないと思うわよ?」
「そうそう。料理は経験を積むことでどんどん上手くなっていくからね」
カレーを食べながらマキの両親はゆかりに言う。
上手くできなかったとゆかりは落ち込んでいるが、最初から上手くできる人など多くはない。
むしろ誰もが失敗を経験したからこそ上手くなるように
マキとマキの両親の言葉にゆかりは顔をあげ、カレーを食べている竜を見る。
「・・・・・・そうだな。具材の大きさもバラバラだし、お肉が切れていないものもあった」
「あうぅ・・・・・・」
カレーを食べ、気になった点を竜は言う。
スプーンで適当にすくっただけでも大きさがバラバラな具材が乗っかっており、これだけ大きさがバラバラなのでは食感はめちゃくちゃなものだろう。
竜の言葉にマキはがくりと肩を落として下を向いてしまう。
ゆかりが本当に欲しかった言葉とは反対の言葉に、ゆかりの心は暗く沈みそうになってしまう。
「・・・・・・でも、これはこれで手作りってのが伝わってきて俺は好きだぞ?」
「え・・・・・・?」
続けて言われた竜の言葉にゆかりは顔を上げて竜を見る。
ダメなところばかりだと思っていたカレーを竜が好きだと言ってくれたことにゆかりは驚いた表情を浮かべた。
「ゆかりは別に料理人ってわけじゃないんだからすぐにでも美味しいものが作れるようにならなくちゃいけないとか考える必要はないんだよ。自分のペースできちんと料理を学んでいくってのが大切だと思うぞ?」
「自分のペースで、ですか・・・・・・」
「うんうん。焦ってやってもちゃんと身につかないからね」
料理にしてもなんにしても積み重ねというのはとても大切なもの。
それに気づけずに焦って一足飛びに難しいことなどに挑戦しても失敗してしまうことは明白。
だからこそ何かを学びたいのであればまず最初に落ち着き、それから目の前のことを1つずつ学んでいくことこそが一番の近道となるのだ。
「そうですね・・・・・・。少しずつ、覚えていきたいですね。マキさん、今後もどうかよろしくお願いしますね」
「うん!任せてよ!」
竜とマキの言葉にゆかりはうなずき、マキの方を見る。
そして、今後も料理の指導をしてほしいということをマキに伝えた。
ゆかりの言葉にマキは嬉しそうにうなずき、自分の胸を強く叩くのだった。
なお、その際にマキの胸が大きく揺れてしまい、竜はとっさに顔を逸らすのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ