寒かったり温かくなったり。
気温の変化が激しい日が続いておりますので読者さま方も体調に気をつけてください。
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お風呂を洗い終わり、竜はついなの待つリビングに移動する。
リビングではついながお茶の準備をしており、テーブルの上にはお茶うけとしておせんべいが用意されていた。
「お、あかり草が来たんか?」
「ああ、風呂を洗う前に会ったんだよ」
「わぁ」
お湯を入れたポットを持ちながら台所からリビングに戻ってきたついなは、竜の肩から生えている花に気づいて声をかける。
あかりの言葉に竜が答えていると、竜の肩から生えていたあかり草が潜り込み、テーブルの上から生えてきた。
あかり草は基本的に竜の家で食事などはしないが、それでも何も用意しないのは可哀想だと思ったのかついなはあかり草の前に食べやすいサイズに割ったおせんべいを置く。
「いつもなんも食べてへんけど、気分だけでもなー」
「わぁわぁ!」
「よかったな」
ついなの言葉にあかり草は嬉しそうに鳴き声をあげてゆらゆらと揺れる。
あかり草の前におせんべいを置いたついなは、急須に茶葉を入れていく。
このとき急須に入れる茶葉の量は入れすぎても少なすぎてもダメであり、この辺りはお茶を淹れてきた経験が大切だろう。
「ほい、お茶を淹れたで」
「ああ、ありがとうな。ふぅ、落ち着くなぁ・・・・・・」
ついなが淹れてくれたお茶を受け取り、竜はそれを口に運ぶ。
淹れたばかりのお茶はたしかに熱いのだが、それでも全く飲めないという温度ではない。
じんわりと広がるお茶の温かさをお腹に感じながら竜はホッと息を吐いた。
「なんでこう、お茶って落ち着くんだろうな?」
「飲んだら落ち着くってしか思っとらんかったけど、たしかに不思議やね」
お茶うけのおせんべいをかじり、竜はふと思ったことを呟く。
お茶には主にカテキン、カフェイン、ビタミンC、テアニンが含まれている。
まずカテキン、カテキンには抗酸化作用があるとされ、カテキンの摂取が糖尿病の改善や認知症の予防、脳梗塞リスクの低下などを防ぐ効果があるのではないかとされている。
続いてカフェイン、こちらは眠気覚ましなどコーヒーの成分としてよく知られているだろう。
次にビタミンCだが、これは基本的に知られているものと特に変わったところはないため割愛とする。
最後にテアニン、これはうまみ成分であるアミノ酸の一種で、お茶の甘みを構成する要素の一つだ。
そしてテアニンにはリラックス効果があるとされており、カフェインの覚醒作用を穏やかにするといわれている。
つまり、お茶を飲んで落ち着くのは主にテアニンという成分が作用しているのだ。
また、テアニンには抗ストレス作用があるとされており、ストレスを和らげて老化が早まるのを抑えている可能性があるともされているのだ。
まぁ、そんな小難しいことを知っているものはこの場には誰もいないため、竜の呟きはそのままホッと吐き出された息とともにどこかに消えていくのだった。
「わーあ、わーあ」
「うん?せんべいでなにかしてるのか?」
鳴き声をあげながらあかり草はついなが置いてくれたおせんべいを並べ替えていく。
食べやすいサイズに割られたおせんべいの形はバラバラで、あかり草はそれを器用に並べながらなにかの形を作っていった。
「わぁ!」
「おー、ハート形に並べ替えたんやね。あかり草は頭がええんやね」
おせんべいをハートの形に並べ替え、ついなに褒められたあかり草は嬉しそうに揺れる。
食べやすいサイズに適当に割られていたおせんべいをハートの形に並べ替えられるということは相応に知能があるということ。
ついなはあかり草のことを褒めながらよしよしと花の部分を優しく撫でた。
「食べ物で遊ぶなって注意するべきなんだろうけど・・・・・・、まぁいいか」
そんなついなとあかり草の姿を見ながら竜はお茶を飲むのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ