スチームにディスコード・・・・・・
名前だけは知ってるんですけどねぇ・・・・・・
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みゅかりさんの操作するブロックが落下し、列がそろってブロックが消滅する。
そしてそれによって“KIRIKIRI”の方のエリアが一段せり上がり、一番上へと到達した。
「みゅーみゅみゅ!」
「おー、勝てて良かったな・・・・・・」
嬉しそうに鳴き声をあげるみゅかりさんの頭を撫でながら竜はやや疲れた表情を浮かべている。
竜の近くではセヤナーとダヨネーも同じように疲れた表情になってしまっていた。
「ヨウヤクカッタナァ・・・・・・」
「ミュカリサンハマケズギライダカラ・・・・・・」
竜たちが疲れた表情になってしまっているのも無理もない。
なぜならみゅかりさんは“テトリス”で負けるたびにすぐにコンティニューをしてずっと戦っていたのだ。
そして、ついさっきようやく勝てて満足したのか、みゅかりさんは大人しく竜に撫でられていた。
「ナンカイコンティニューシテタンヤッケー?」
「ワカンナイー。タブン10カイクライー?」
セヤナーの言葉にダヨネーは首を振るように体を左右に揺らしながら答える。
みゅかりさんが負けず嫌いなためになんども繰り返された“テトリス”。
竜たちがこれだけ疲れているのだから、おそらくは“KIRIKIRI”も同じくらいには疲れているのではないだろうか。
『きりちゃーん、そろそろ晩ご飯ですわよー』
『あ・・・・・・、すみません。そろそろ晩ご飯みたいですので・・・・・・』
「ああ、もうこんな時間なのか・・・・・・。了解です」
聞こえてきたどこか聞き覚えのあるような声に首をかしげつつ、竜は“KIRIKIRI”の言葉に答える。
それと同時に、家に帰ってきてから晩ご飯の準備をしていたついなも竜たちのもとにやって来た。
「ご主人、そろそろ晩ご飯ができるでー」
「ん、ちょうどこっちも晩ご飯のタイミングだったか」
『・・・・・・ふむ。やはりこの声は・・・・・・』
ついなの言葉に竜が答えていると、不意に“KIRIKIRI”のつぶやきが竜の耳に届いた。
『ええっと、それではまた今度遊びましょうね。
「えっ・・・・・・?!」
そう言って“KIRIKIRI”は竜との通話を切る。
突如として“KIRIKIRI”が自分の名前を言ってきたことに竜は驚き、思わず固まってしまう。
「ドウシタンヤー?」
「ナニニオドロイタノー?」
「みゅーみゅみゅー?」
「ご主人?」
竜が驚き固まってしまったことにセヤナーたちは不思議そうに首をかしげる。
セヤナーたちの言葉に軽く手を上げて応えながら竜は思考する。
竜は、自分の名前をどこかで明かしたことはなく、基本的に書き込みなどをする際にも本名とは違う名前を使用している。
そのため、名前を呼ぶことができたということから竜は自分の近くにいる誰かが“KIRIKIRI”なのではないかと推測する。
次に気になるのは名前だけではなく兄さまという言葉を名前の後ろにつなげたこと。
竜が知っている中で自分のことを兄さまと呼んでいるのはきりたんただ1人。
「・・・・・・って、これなら答えは1人じゃないか」
自分のことを兄さまと呼んでいる人物の心当たりが1人しかいないことに思い至った竜はがくりと肩を落とす。
よくよく思い返してみれば“KIRIKIRI”と遊んでいる際に聞こえてきていた声に「きりちゃん」という言葉もあったので、むしろいままで気づかなかったことの方が不思議なくらいだった。
まぁ、これはきりたんと知り合う前に竜が“KIRIKIRI”と出会っていたために、別人だろうという思い込みから気づけなかったのだが。
“KIRIKIRI”の正体がきりたんだということに、竜は頭に手を当てながら自分がまったく気づいていなかったことに対して溜息を吐くのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ