変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第20話

 

 

 

 

 やや落ち込んだ雰囲気を発しながら竜と茜は買い物を再開する。

 とはいえ、落ち込む原因になったのは2人がスーパーの中を走り回るという高校生にあるまじき行動をしたことによる説教なのだが。

 

 

「この年で怒られるなんて・・・・・・」

「そうだな・・・・・・」

 

 

 落ち込みながらも2人は買い物かごに買うものをしっかりと入れていく。

 

 

「とりあえずはこれくらいで大丈夫やろ」

「こんなもんで足りるのか?そんなに入れてないみたいだけど」

 

 

 茜の言葉に竜は買い物かごの中を見て尋ねる。

 買い物かごには食材が半分にも届かない程度の量しか入っておらず、それだけで大丈夫なのか気になったのだ。

 竜の言葉に茜はニッと笑みを浮かべる。

 

 

「これでええんよ。うちにある食材も組み合わせて使うんやから」

「それならいいか」

 

 

 茜の言葉に竜は納得して頷く。

 そして2人はそれぞれ会計に向かった。

 

 

「それじゃ、まずは竜の買ったものを家に置いてくるのが先やな」

「だな」

 

 

 スーパーでの買い物を終え、2人は竜の家へと向かって歩きだした。

 そんな2人の後ろ姿を見ていた店員のタカハシはポツリと言葉をこぼす。

 

 

「・・・・・・あれで付き合ってないとかマジ?」

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 自身と茜の買ったものを手に持ちながら竜は家へと向かう道を歩く。

 竜の隣を歩きながら茜はチラチラと竜のことを見る。

 

 

「なぁ、やっぱりうちの分は自分で持つで?」

「いいんだよ。それにそんなに重くないし」

 

 

 茜の申し出を竜は首を横に振って断る。

 それでも茜は申し訳さを感じているようで、なんとも言えないような表情を浮かべていた。

 

 

「・・・・・・そや。竜、袋の持ち手を片方だけ持たせてくれへん?せめてそれくらいはさせてほしいんよ」

「・・・・・・分かったよ」

 

 

 少しだけ考えてから茜はもう一度申し出る。

 茜の言葉に竜はもう一度断ろうとしたが、茜の表情から引く気がないことを察して頷いた。

 竜の許可を得たことによって茜は竜の持っている自分の買い物袋の持ち手の片方を持った。

 

 

「竜が気を使ってくれてるのは分かるんやけど。うちはこうやって一緒に持つ方が嬉しいかなぁ」

「そうか・・・・・・」

 

 

 嬉しそうに言う茜の言葉に竜は顔を少しだけ逸らしながら答えた。

 竜からすれば重いものを女の子に持たせたくはなかったのだが、その辺りは茜にとっては少々違ったようだ。

 ちなみに1つの買い物袋を2人で持つその姿に、道行く人たちのほとんどは2人がカップルなのだと思っていた。

 

 そして2人は竜の家の前に着く。

 

 

「お、今日も来てたのか」

 

 

 家の前にいるみゅかりさんの姿に竜は嬉しそうな声をあげる。

 竜の声が聞こえたのか、みゅかりさんは2人の方を向いた。

 

 

「みゅ!」

「おっと、すごいジャンプ力だな」

「む・・・・・・」

 

 

 一気に自分の頭の上に跳び乗ってきたみゅかりさんに竜は驚きと感心混じりの声をあげる。

 そんなみゅかりさんの姿に茜は少しだけ不機嫌そうに言葉を漏らした。

 

 

「あー、でも悪いなみゅかりさん。今日は茜のとこで晩御飯を食べるって話になってて家で遊ばないんだ」

「みゅっ?!みゅー?!みゅー?!」

 

 

 竜の言葉にみゅかりさんはショックを受けた鳴き声をあげた。

 「嘘でしょ?嘘でしょ?」とでも言うかのようにみゅかりさんは竜の頭の上で鳴き声をあげる。

 みゅかりさんの鳴き声に竜は申し訳なく感じながら家の中に入って買ったものをしまっていった。

 

 

「みゃうぅぅう・・・・・・」

 

 

 涙ぐんだ悲しげな表情のみゅかりさんは竜の首もとにしがみついて鳴き声をあげる。

 そんなみゅかりさんの様子に竜は苦笑をしながら茜の方を見た。

 

 

「えっと・・・・・・、みゅかりさんも一緒で大丈夫か?」

「はぁ・・・・・・。ま、分かっとったけどね。別にええで。それにみゅかりさんも同じアパートに住んどるんやしな」

 

 

 困ったように言う竜の言葉に茜は小さくため息を吐いて許可を出した。

 茜の言葉を聞きながら竜は首もとにしがみついてくるみゅかりさんの頭を撫でるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ
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