変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第1話

 

 

 

 

 誰にでもある代わり映えのないいつもの1日。

 

 朝起きて着替えをし、その日の授業に合わせた教科書などを持って学校に行き授業を受けて友人となんてことのない会話をする。

 

 そんな当たり前の毎日が────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ────続いていると思っていた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「みゅぅ~・・・・・・」

「・・・・・・なんだこれ」

 

 

 目の前で目を回しながら倒れているよく分からない生き物を見ながら男子高校生──公住(きみすみ) (りょう)は呟くのだった。

 

 ことの始まりは、と言ってもそんなに複雑なことはなく。

 単純に竜の家のちょうど目の前でよく分からない生き物が倒れているというだけのことなのだが。

 

 なぜ生き物を明確な種類で呼んでいないのか。

 それが気になっている方がいるかもしれないが、どうにもこの生き物の種類がはっきりとは分からないからだ。

 猫のような耳はついているのだが胴体はなく。

 一番近いものとしては東方に出てくる“ゆっくり”のような見た目だろうか。

 それでも“ゆっくり”のように人のようではなく、全体的にフワフワとした体毛のようなものでおおわれている。

 そしてもう1つの特徴として2ヶ所から生えている手のようなものだろうか、アクセサリーなのかは分からないがリングのようなものがそれぞれに1つづつ着いている。

 見方によっては前足のようなものとして考えることもできるかもしれない。

 ちなみにこの生き物の体毛の色は紫色である。

 

 とにもかくにも竜が自分の家に入るにはこの生き物の近くを通らなければならないので、竜はゆっくりと近づいていく。

 

 

「起き・・・・・・ないか」

 

 

 もしかしたら倒れている演技かと警戒して生き物にゆっくりと近づいたが、予想に反して生き物はなんのアクションも起こさない。

 位置的にはすでに家の前にいるのだから気にせずに帰宅してもいいのだが、どうにも竜は生き物を放っておくことができなかった。

 

 野生の生き物だろうし、人の手が加わるのはあまり良くないのかもしれない。

 そう、理解はしている。

 理解はしているのだが・・・・・・。

 

 

「はぁ・・・・・・。独り暮らしで助かった・・・・・・」

 

 

 溜め息を吐きながら竜は生き物を抱き抱えて家の中へと入るのだった。

 ちなみに生き物の毛並みはとてもよく、なかなかに良い触り心地だったらしい。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 竜は生き物を一先ずは自分の部屋の布団に寝かせ、落ち着くために飲み物を用意する。

 家の前でも長々と考えていたことだが、改めて竜は生き物について考える。

 

 

「・・・・・・、というか生き物であってるよな?まさか精巧に作られたロボットなんてオチはない、よな?」

 

 

 ふと頭に浮かんだ考えに竜は思わず呟く。

 とは言っても今までに見たこともない生き物なのだからそう考えても仕方がないのかもしれないが。

 ・・・・・・まぁ、そのあたりは考え出したらキリがないので、竜はとりあえずは生き物ということにして考えることにした。

 

 

「とりあえず目を覚ましたらどこかに逃がす感じか?でもアクセサリーっぽいものを着けているから誰かのペットな可能性、も?!」

 

 

 ────ドゴォッ!

 ────みゅっ?!みゅみゅみゅみゅっっっ?!?!

 

 

 竜が拾ってきた生き物について考えているとなにかがぶつかるような音と、混乱したような鳴き声が竜の耳に聞こえてきた。

 どうやらあの生き物が目を覚ましたようだ。

 

 

「部屋を散らかさないでくれると助かるがなぁ・・・・・・」

 

 

 竜は飲み物を飲んでいたコップをテーブルに置いて生き物を寝かせた自分の部屋に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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