・
茜のトントンと料理をする音と、葵が慌てて部屋で着替える音を耳にしながら竜は気まずそうにテレビを見ている。
竜の頭の中では先ほどの葵のとんでもない姿が思い返されており、悶々とした感情が渦巻いていた。
下着は隠れていて見えなかったとはいえ、太ももの
「うぉおお・・・・・・、絶対に気まずくなるやつだろ・・・・・・」
「みゅみゅみゅ?」
ワシャワシャとみゅかりさんの頭を撫でながら竜は呻くように言う。
竜に撫でられるみゅかりさんはグワグワと揺れる体に少しだけ困惑していた。
「みゅかりさんや、俺はどうしたらいいと思う・・・・・・」
「みゅ~、みゅっ」
「やっぱ謝るしかないよなぁ・・・・・・」
みゅかりさんの前足を合わせる仕草に竜は息を吐きながら呟いた。
茜が仕掛けたこととはいえ葵のあられもない姿を見てしまったことは事実。
そう考えているときに再び葵の姿を思い出してしまって竜は顔を赤くした。
「みゅい・・・・・・」
「忘れ・・・・・・られねぇ・・・・・・。つーか、アレを忘れるとかもったいねぇ・・・・・・」
みゅかりさんを両手で弄りながら竜は呟く。
頭の中で思い出しているのはもちろん先ほどの葵の姿。
グニグニと耳を弄られたり、頬をムニムニと押されてみゅかりさんはどことなく恥ずかしそうにしているようにも見える。
そんな竜の後ろに人影が1つ現れた。
「竜くん・・・・・・」
「ッ?!・・・・・・あ、葵か?」
背後からかけられた声に竜はビクリと肩を震わせて答える。
竜の背後に立つ人影、着替えを終えた葵は竜の言葉に答えずに竜の背後のすぐ近くに移動した。
「えっと・・・・・・あお──」
「ごめん、今はこっちを見ないで。恥ずかしすぎて死んじゃいそうだから・・・・・・」
「みゅあっ?!」
竜が振り向いて葵の方を見ようとすると、葵は背後から竜の目元を隠して言った。
葵の服装は先ほどのあられもないものから普通のものへと変わっているが、葵の顔は真っ赤に染まっていた。
振り向こうとしていたところで目を隠され、竜は驚いてみゅかりさんを軽く放り投げてしまう。
「みゅっ!みゅみゅみゅっ!!」
放り投げられたことにみゅかりさんはご立腹らしく、竜の膝の上で跳び跳ねながら鳴き声をあげている。
竜はそんなみゅかりさんに構うことができず、背後に感じる葵の感触にドギマギとしていた。
「・・・・・・見た?」
「・・・・・・・・・・・・はい」
有無を言わさぬような葵の言葉に竜は正直に答えた。
竜の答えに葵は黙りこんでしまう。
葵が黙りこんでしまったことに竜は不安になりながら膝の上で跳ねているみゅかりさんを手探りで捕獲した。
「みゅぅぅう・・・・・・」
「ううぅぅ・・・・・・。やっぱり見られてたぁ・・・・・・」
「えっと、すまん」
みゅかりさんは捕獲されたことに不満そうではあるが、一応は落ち着いたらしい。
竜の答えに葵は恥ずかしさの混じった声で呻いた。
葵の声に竜は申し訳なく思いながら謝るのだった。
「ううん・・・・・・、ボクも家だからってあんな格好をしてたのも悪いから・・・・・・」
「茜もなんか文句を言ってたな・・・・・・」
「う・・・・・・、次からは気をつけるようにするよ・・・・・・」
葵の言葉に竜は茜が言っていた言葉を思い出す。
葵は茜から常日頃から言われていたことを思い出したのか渋い声音で答えた。
いまだに葵によって目を塞がれている竜は背後にいる葵の感触をなるべく意識しないようにみゅかりさんを手探りで撫でるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ