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竜の背後で悶えていた葵だったがしばらくして落ち着いたのか、竜の背後から移動した。
葵が移動したことによって竜も隠されていた視界が開け、周りを見ることができるようになった。
竜の背後から移動した葵は恥ずかしそうにしながらも竜の隣に座る。
「みゅう」
「わっ?!みゅかりさん?」
竜の隣に座った葵の頭の上にみゅかりさんが跳び乗り、葵は驚いて声をあげる。
そんな葵のことなど気にもせずにみゅかりさんは葵の頭をポフポフと叩く。
突然のことに竜も葵も困惑してしまう。
「葵~、戻ってきたんやったらテーブルを準備してや~」
「え、あ、うん!」
「っと、俺も手伝うよ」
不意に聞こえてきた茜の言葉に葵はみゅかりさんを乗せたまま立ち上がって答える。
葵が立ち上がったのを見て竜も手伝うために立ち上がった。
「う、うん。じゃあ、反対側を持ってね」
「分かった」
茜と葵は普段はテーブルを片付けており、使うときだけテーブルを出すようにしている。
そのため食事をするときなどはテーブルを出す必要があるのだ。
もともとテーブルのサイズはそこまで大きくはなく、葵1人でも運ぶことはできるのだが、それでも2人で協力した方が安全なことは事実なので葵は竜の申し出をありがたく受け取った。
葵の言葉に従って竜はテーブルの反対側を持ち、葵と協力してテーブルを運んでいく。
「この辺りか?」
「うん。ここで大丈夫だよ。みゅかりさん、テーブルの上に乗らないでね?」
「みゅい!」
テーブルを出し終え、葵は頭の上に乗っていたみゅかりさんを捕まえて言う。
葵の言葉にみゅかりさんは前足を上げて応えた。
まぁ、みゅかりさんは地面に直接体が触れていたのだから仕方がないことだろう。
「できたで~」
「じゃあ、ボクは食器を持ってくるね」
「あ、なら俺も・・・・・・」
テーブルの準備が終わると、茜が料理を手に持って運んできた。
茜が料理を運んできたことに気づいた葵はキッチンに食器を取りに向かう。
葵に続いて竜も運ぶものがないかついていこうとしたが、移動する前に茜に制止されて向かうことができなかった。
「お客さんなんやからのんびり待っときぃ。ちゃんと竜の食器も持ってくるからなぁ」
そう言って茜もキッチンへと向かっていった。
茜に止められた竜は仕方なく座ってみゅかりさんを膝に乗せて撫でるのだった。
「待たせたな(イケボ)」
「スネークの物真似・・・・・・か?」
「竜くん、この食器と箸を使ってね」
物真似をしてふざけながら戻ってきた茜に竜は何の物真似をしているのかを言う。
そんな茜のことをスルーして葵は竜にご飯を盛った茶碗と箸を手渡した。
葵にスルーされたことがショックだったのか、茜はガーンッ!と言った表情で葵を見るが、それすらも葵はスルーする。
「・・・・・・いいのか?」
「うん。反応すると調子に乗るから」
「みゅいみゅい」
竜はショックを受けた様子の茜を指差して葵に尋ねると、葵は慣れた様子で自分と茜の分のご飯を茶碗に盛っていく。
そんな茜と葵のやりとりを見てみゅかりさんはやれやれと言った様子で体を揺らしていた。
「さ、食べよう。冷めちゃうともったいないし。みゅかりさんのはこっちね」
「お、おう」
「みゅう!」
みゅかりさん用に盛り付けられた皿をみゅかりさんの前に置き、葵は手を合わせる。
困惑しつつもそれにならって竜とみゅかりさんも手を合わせた。
「いただきます」
「い、いただきます」
「みゅ、みゅみゅみゅみゅう」
そう言って竜と葵、みゅかりさんは晩御飯を食べ始める。
そのことに茜が気づいて食べ始めるのは30秒後のことだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ