UA数が10000を越える毎にボイスロイドキャラたちのヤンデレエンドでも書こうかな。
とりあえず越えてから決めます。
まぁ、まだまだ先ですけどね。
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茜の作った料理、豚カツを竜は口に運ぶ。
サクッとした衣に中から肉汁がじわりと溢れ出して口の中に広がる。
ソースをかけずに食べてみたがそれだけでも十分にご飯の進む美味しさを竜は感じられた。
チラリと竜は茜と葵の様子を見るが、やはり食べなれているのか竜ほど大きな反応は無いように見られる。
「みゅっ!みゅみゅっ!」
「おー、そんな風に食べてもらえると作った甲斐があるっちゅうもんや」
興奮した様子でガツガツと食べていくみゅかりさんの姿に茜は嬉しそうに言う。
葵も美味しいとは言ってくれるのだが、他の人が美味しそうに食べている姿を見るのも嬉しいものなのだ。
茜のそんな様子を見ながら竜は豚カツにソースをかけて口に運んだ。
ソースのしょっぱさが加わることによってご飯がさらに進む。
そしてしょっぱさの口休めに千切りキャベツを口に運ぶ。
キャベツのさっぱりとした味によって口の中をリセットすることができ、再び豚カツを楽しむことができるのだ。
「・・・・・・うまいな」
噛み締めるように竜は呟く。
茜から料理を担当しているとは聞いていたが、ここまでうまいとは思っていなかったために思わずこぼれた言葉だった。
竜の言葉を聞いて茜は嬉しそうにはにかみ、葵は少しだけ口元を下げる。
別に葵も料理ができないと言うわけではない。
ただ、得意なものがお菓子作りの方に割り振られているというだけなのだ。
「どや、うちの実力を思い知ったか!」
「お姉ちゃん、料理が得意だもんね」
「ああ・・・・・・、飯マズ系だと思っていたが間違いだった・・・・・・」
ドヤ顔で言う茜に竜は料理を噛み締めながら答える。
いつの間にか豚カツは残り少なく、そのことを竜は残念に感じていた。
「安心しい。まだおかずはあるで!」
残念そうな表情の竜の様子に気づいた茜は、そう言って立ち上がってキッチンから別の料理を持ってきた。
カラッと揚げられて綺麗なオレンジ色に染まった衣。
食べごたえのありそうな太さのその身。
そして衣の端からとび出ている鮮やかな赤色の尾。
それは、その料理の名は────
────エビフライだ。
漂ってくるその香りに竜とみゅかりさんはゴクリと唾を飲む。
それは今までに食べたエビフライとは隔絶した魅力を放っていた。
もしも空腹の状態で目の前に現われたのならば迷うことなく口に運んで貪り喰らっていたであろう。
ひとえに今そんな状態になっていないのは先に豚カツを食べていてお腹が少しだけ膨れていたからだ。
「あはは、お姉ちゃんのエビフライはとても美味しいよ」
「たくさん作ってあるからみんなでちゃんと分けて食べよか」
「おう」
「みゅい!」
竜とみゅかりさんの様子に、まだ茜のエビフライに慣れている葵は苦笑しながら言う。
とは言っても葵自身も最初の頃は竜やみゅかりさんと同じような状態になっていたのだが。
茜の言葉に竜とみゅかりさんは行儀良く座って待つのだった。
「・・・・・・やべぇ」
「・・・・・・みゅえぃ」
エビフライを口に運び、竜とみゅかりさんは数秒の沈黙のあとに小さく呟いた。
サクリとした食感は 先ほどの豚カツと同様に素晴らしいものでさらにかじった断面からは海老の風味がブワリと溢れ出てくるのだ。
しかもソースをかけて食べるよりもそのまま食べた方がその旨味を強く感じることができる。
今までに自分が食べたものはエビフライではなかった。
そう思えるほどの衝撃が竜とみゅかりさんを襲っていた。
そんな2人の様子に満足そうに頷きながら茜と葵もエビフライを口に運んだ。
「ん~、お姉ちゃん。今まで1番美味しいできじゃない?」
「せやね。このできを毎回できるようになりたいところやな」
葵の言葉に茜は頷きながら答える。
これほどまでに美味しいものを作っておきながら妥協をしないその姿勢に葵はニコニコと笑みを浮かべるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ