さて、ここからどうやって自分の思い描いている展開を表現できるか・・・・・・
自分の思い描いているものをうまく表現できるかは本当に本人の技量が出てきますからねー・・・・・・
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貴身純家の中に入ったイタコ先生、竜、ついなは貴身純家に仕えているらしいお手伝いの人の案内のもと貴身純家当主のいる部屋へと向かっていた。
家の中も当然ながら和風であり、どこか厳格な雰囲気のようなものを感じられる。
そんな貴身純家の廊下を歩きながら竜だけは不思議そうにキョロキョロと家の中を見ており、ときおりなにかを考えるかのように首をかしげていた。
「落ち着きがないようですけどどうかしましたの?」
「あ、すみません。なんだかこの家に入ってから変な感覚がありまして・・・・・・。こう、なんというか・・・・・・、全然知らないはずなのに知っているような・・・・・・。どうにも不思議な感覚なんです」
「うーん。なんや不思議な感覚みたいやね?少なくともうちとイタコはそんな感覚はあらへんけど・・・・・・」
落ち着きのない竜の様子が気になったイタコ先生はどうかしたのかと竜に尋ねる。
イタコ先生の言葉に竜は貴身純家に入った時から感じていた違和感を答えた。
知らないはずなのに知っているような感覚。
いわゆるデジャビュのようなものを竜はどうやらこの家に感じているらしい。
竜の言葉についなは不思議そうに首をかしげ、確認するようにイタコ先生に尋ねる。
ついなの言葉にイタコ先生もべつにそのような感覚は感じていないようで、うなずいて応えた。
「そうですか・・・・・・。なんなんだろうなぁ・・・・・・。それに、なんか誰かから見られてるみたいな感じもするし・・・・・・」
ついなとイタコ先生の言葉に竜は不思議そうに首をかしげる。
そして、デジャビュとはまた違った気配も感じてはいたのだが、そちらの方は少し気になる程度なためにイタコ先生たちに伝えずに小さくつぶやくだけとなっていた。
「こちらの部屋にご当首様がおられます。どうか失礼のないようにお願いいたします」
「案内してくださりありがとうございます」
貴身純家の廊下を歩き、当主のいる部屋についたのかお手伝いの人は扉の横に立って頭をさげた。
ここまで案内してくれたことにイタコ先生はお礼を言い、同じように頭をさげる。
それに続くように竜も頭をさげる。
そして、イタコ先生は当主がいるという部屋の扉を開けた。
「────ですので、どうか私とこの女性との婚約を成立させるために協力を願いたいわけなんですよ」
「ふぅむ・・・・・・。なるほどのぅ・・・・・・」
イタコ先生が扉を開けると、ちょうど貴見済の男性がなにかしらの説明を終えたところだった。
男の言葉に当主らしきおじいさんは口ひげを撫でながら考えるように目を閉じる。
男とおじいさんの他に、部屋の中にはおそらくは40代ほどであろう男性と、顔を歌舞伎などの黒い服を着ている人────黒子の人が着けているようなもので隠している女性の姿があった。
と、ここで部屋の扉を開けたイタコ先生の存在に気がついたのか、部屋の中にいる人間の視線がイタコ先生と竜へと集まった。
「突然の訪問すみません。ですが、早急にお願いしたいことがありましてこちらに来させていただきました」
自身に集まる視線を受けながらイタコ先生はハッキリと言葉を発していく。
イタコ先生の登場に貴見済家の男性は誰にも見えないようにしながら嫌そうに顔を歪めた。
「どうか、そちらの貴見済家の方との婚約を断るためのお力添えをお願いしたいのです!」
ハッキリと聞き逃すことがないようにイタコ先生はここに来た理由を強く言うのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ