すこし遅刻しました・・・・・・
生配信を見ていたせいで・・・・・・
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ぷっくりと頬を膨らませながらウナは不満そうに竜を見る。
ウナがどうして不満そうにしているのかが分からず、竜は困った表情でウナを見返した。
「むー!」
「えっと、どうしたんだ?」
むくれて頬を膨らませているウナに竜は困り顔になりながら尋ねる。
そんな竜に対してウナはむー、むーと不満そうな声を上げていた。
ウナのそんな様子に近くに座っているボイテレビのスタッフたちは驚いた表情になりながら竜とウナを見る。
「・・・・・・私、ちゃんと撮影できてたよね?」
「お、おう。そうだな・・・・・・?」
「私、頑張ってたよね?」
「ああ。撮影なんて大変だもんな」
念押しするようなウナの言葉に竜は困惑しながらも肯定する。
テレビの撮影なんてものは緊張したりして大変なことであるのは竜でも想像ができるので、小学生であるウナが撮影をやっているということを竜はすごいと思っていた。
竜の言葉を聞き、ウナは竜の手を掴んで自身の頭の上に置いた。
「うん?」
ウナの行動に竜はとくに抵抗はせず、小さく首をかしげる。
竜の視線を受けながら、ウナはそっと頬を赤く染めながら目線をそっと逸らした。
ウナがそんな行動をすれば店の中にいる他のお客さんたちに見られてしまうのではないかと思うかもしれないが、ウナの周囲はボイテレビのスタッフで固めてあることと、ウナ自身の身長が小学生のために小さめであったことによって店の中にいる他のお客さんたちの目にウナの頭の上に竜の手が置いてある姿が見られることはなかった。
「・・・・・・えっと?」
「頑張ったご褒美に褒めてほしいんだぞ・・・・・・」
ウナの意図が分からずに竜が困っていると、恥ずかしそうにしながらウナはどうしてほしいのかを答えた。
どうやらウナは自分が撮影で頑張ったことを褒めてほしかったらしい。
ウナがどうして自分の手を掴んで頭の上に置いたのかの理由を理解した竜は苦笑しながらウナの頭をわしゃわしゃと撫で始めた。
「はは、よく頑張ったな。とっても上手に撮影できていたぞ」
「えへへ~」
ウナの頭を撫でながら竜はウナのことを褒める。
竜に褒められたウナは嬉しそうに頬を緩ませて笑みを浮かべた。
周囲の席に座っていたボイテレビのスタッフからはウナの表情は見えていなかったが、それでもウナの放っている雰囲気のようなものは感じられていたため不思議そうに竜とウナのことを見ながらボイテレビのスタッフたちで話し合っていた。
「“UNA”ちゃんとあの店員さんは知り合いなのかしら?」
「あれ?ていうか前に公園で撮影したときにインタビューした子じゃないかしら?」
「あー、確かに店員さんに似ていた気がするわね」
ボイテレビのスタッフたちの声を聞きながら、竜はウナが満足するまでウナの頭を撫でるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ