テニスで相手のコートに打ち込むのって地味に難しいんですよねぇ。
私は全然できませんでした。
・
ぽこん、ぽこん、と弱めの音を鳴らしながら竜とオネは簡単なラリーをする。
といってもネットを使わないラリーなのでそこまで難しくもないのだが。
このラリーはオネが竜にサーブを教えるために始めたもので、まずは弱い力で打つことを慣れさせるために始めたのだ。
「うんうん。なかなかうまく打てていると思うわよ」
「そうか?そう言われても力加減がなかなか難しくてな・・・・・・」
ネットのないラリーを繰り返しながらオネは言う。
オネの言葉に竜は首をかしげながら答える。
事実として竜はいまのこのラリーですら力加減にやや苦労をしながら打ち返していた。
もともと、竜は力加減を必要とする運動は苦手としており、どちらかと言えば思い切り力を出すことができる運動、たとえばバッティングやボウリングなどの方が得意としている。
ちなみに、ゴルフも思い切りゴルフクラブを振るだけではないのかと思うかもしれないが、実際にはそんなことはなく意外と微妙な力加減や打ち方なんかがあるので竜はやや苦手としている。
「それじゃあ次はネットがあるのをイメージして打ってみましょう。私が打った球と同じくらいの高さになるのを目指してみてちょうだい?」
「分かった」
そう言ってオネは少しだけ離れた位置に移動し、ネットの高さをだいたい超えた位置辺りを通るように球を竜に向けて打つ。
弱めに打たれたその球は大きく弾みながら竜のもとへと飛んでいく。
自分のもとに飛んできた球を竜は先ほどまでのラリーよりも少し高めの軌道になるように意識してラケットを振る。
ぱこんっ、やや強めの音を鳴らし、竜の振ったラケットは球をとらえて強めに打ち返した。
打ち返された球はオネの打った球の軌道よりもやや下の方を通りながらオネのもとへと帰っていく。
「んー、やっぱりネットをイメージすると難しいかしら?」
「まぁ、そうだな。ちょうどネットを超えたあたりで下に落ちるような力加減っていうのがいまいち掴めないんだよなぁ」
竜の打った球が自分の打った球よりも低い軌道で帰ってきたのを確認したオネは竜に確認するように尋ねる。
オネの言葉に竜はうなずく。
やはりネットをイメージしていない動きとネットをイメージした動きでは難易度が少し変わるようだ。
「そうすると力加減はやっぱり何度もやって体で覚えるしかないわね」
「そうなるよなぁ」
なにかしらのテクニックを考えるよりも体で力加減をおぼえる。
やはりそれがなによりも一番の近道だろう。
オネの言葉に竜はラケットを握りしめて練習を再開するのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
-
佐藤ささら
-
鈴木つづみ