さすがにそろそろテニスを終わらせたい・・・・・・
体育の授業が長すぎる。
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田中が打ち返したテニスボールが竜へと向かって飛んでいく。
打ち返されたテニスボールの軌道は竜の顔にぶつかるような軌道だった。
先ほど佐藤から打たれたテニスボールをどうにか打ち返していた竜は田中の打ち返してきたテニスボールに対応することができず、とっさに腕で自分の顔を守る。
「・・・・・・はっ?」
「うん・・・・・・?」
腕にテニスボールがぶつかると思っていた竜は待っていても来ない衝撃に首をかしげる。
腕をどけて見てみれば足元にテニスボールが転がっており、見れば対戦相手である田中と佐藤が驚いた眼で竜のことを見ていた。
「竜さん、大丈夫でしたか?」
「危なかったっちゃねー?」
「2人とも?もしかして守ってくれたのか?」
足元のテニスボールを見ていた竜は左右から聞こえてきた声に驚き、左右を確認する。
見ると竜の左右にはひめとみことがおり、心配そうに竜のことを見ていた。
どうやらひめとみことの2人が竜に向かって飛んできていたテニスボールを止めてくれたらしい。
「はい。呼ばれたので来てみれば竜さんにボールがぶつかりそうになっていましたので」
「うちらが打ち落としたんよー」
「そうなのか。ありがとうな。でも、危ないからコートの外で見ていてくれな?」
竜の言葉にひめとみことはうなずき、自分たちが飛んできたテニスボールを打ち落としたのだと答える。
2人が呼ばれたと言っていることから分かるように、ひめとみことの2人は竜に憑いている動物霊に呼ばれてこの場に来ていた。
自分にテニスボールがぶつからなかった理由を理解した竜は納得したようにうなずいて落ちているテニスボールを拾う。
そして、テニスボールを打つ前にひめとみことの2人をコートから出した。
一方で、竜にテニスボールがぶつからなかった理由が分かっていない田中と佐藤は困惑しながらラケットを握った。
「な、なにをしたのかは分からないけど。大丈夫かな?」
「ああ、守ってもらったからな」
困惑したままの田中と佐藤の言葉に竜は短く答える。
そして、困惑している2人のことなど気にせずにテニスボールを打った。
「守ってもらった?」
「ちょっとなにを言っているのかは分からないけど、打たせてもらうよ!」
竜の言葉に首をかしげつつも、佐藤と田中は竜の打ったテニスボールに反応してコートの中を走りだした。
「そお、れっ!」
「やらせないわ!」
佐藤が打ち返したテニスボールをオネが反応して打ち返す。
そこからお互いに打ち返しあうラリーが始まった。
「これで、どうだ!」
なんどかのラリーを繰り返した後、先ほどと同じように佐藤が竜へと向けて勢いよくテニスボールを打ち抜いた。
それに対してコートの外で見守っていたひめとみことがいち早く反応する。
コートの地面から素早く木が生え、飛んでくるテニスボールを正確に受け止めて固定する。
そして、止められたテニスボールに対して、竜は思い切りラケットを振りかぶるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ