こんなお店に入ってみたいものですねぇ。
合言葉を知っている人しか入れない隠れ家的なお店とかちょっと憧れます。
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あかりの先導のもと店の中に入った竜たちは、外観と同じようにどう見ても普通の内装の店内をキョロキョロと見回す。
あまりにも普通過ぎる店内の様子に、竜たちは本当に特別なメニューがあるようなお店なのかと内心で首をかしげていた。
「っと、すみませーん。12人なんですけど」
「分かりました。ただいまお席に案内しますね」
竜たちがキョロキョロしている間にあかりは店員に声をかけ、人数を言う。
いまこの場にいるのは、あかり、竜、ついな、茜、葵、ゆかり、マキ、イタコ先生、ずん子、きりたん、ウナ、イア、オネの13人なのだが、ついなの姿は基本的に一般人には見えていないのであかりは12人と人数を答えていた。
「あ、ちょっと先に注文いいですか?」
「え?注文なら席に着いたらでいいんじゃないのか?」
「せやでー?うちらはどんなメニューがあるかなんてわからんのやし」
席へと案内しようとする店員を呼び止め、あかりはいまこの場で注文をしようとする。
あかりがいきなり注文をしようとしたことに竜たちは驚き、あかりに席に着いてからでいいのではないかと声をかける。
しかし、あかりは竜たちの言葉に首を横に振る。
「ここで注文しないとダメなんですよ。えっと、“ステーキ定食”をお願いします」
「はい。焼き加減などに指定はございますか?なければシェフお任せとなりますが」
「では“弱火でじっくり”お願いしますね」
「
竜たちの言葉にあかりはここで注文をしなくてはダメなのだと答えた。
そして、あかりはどこかで聞いたことがあるような注文を店員にする。
あかりの注文に店員はうなずいて伝票に注文したものを書き込んでいき、注文を書き終えた店員はそのまま席へと案内を始めた。
どうしてこの場で注文をする必要があったのか。
先ほどのどこか聞き覚えのある注文はなんだったのか。
聞きたいことはいいくつかあるのだが、あかりは店員の後をついて行ってしまっているので、竜たちも置いて行かれないように後を追うのだった。
「それではこちらの席でお待ちください。メニューはいまからお持ちします」
ひと際大きな部屋に案内された竜たちは部屋の広さに驚きつつ、思い思いの席に座っていく。
そして竜たちが席に着いたことを確認した店員は頭を下げて部屋から出ていった。
「そんで?なんでわざわざさっきの場所で注文したんだ?」
「お店に入る前にウナちゃんが言っていたじゃないですか。合言葉を言えば特別な料理が食べられるって」
「それがさっきの注文だったということなんですね?」
「でも、さっきの注文ってハンターハンターじゃなかった?」
「あー、なにか聞き覚えがあると思ったらゴンたちが受けたハンター試験のときの合言葉だったのね?」
席に着いた竜は改めてあかりにどうしてさっきの場所で注文をしたのかを尋ねる。
竜たちの疑問にあかりはチラリとウナのことを見てその理由を答えた。
あかりが先ほど席に案内される前に注文した理由。
それはこのお店の特別な料理を食べるために必要なことだった。
あかりの答えにイアが首をかしげながら合言葉がハンターハンターで見たものだったことを指摘する。
イアの言葉に竜たちは先ほどの合言葉をどこで聞いたことがあったのか思い出し、納得したようにうなずく。
「ああ、それはここの店長の趣味ですよ」
「って、趣味なんかーい!!」
あっさりとした合言葉の理由に思わず茜はツッコミを入れるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ