今日もまた遅い―・・・・・・
最近どうも遅くなってしまっているからなんとか直さないといけないのに・・・・・・
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闇の中から現れた枯れ木に思い切り足をぶつけた竜と茜。
2人は足を枯れ木にぶつけたダメージにより砂がつくのも構わずに砂浜に足を抑えながらもんどりうっていた。
「ぐぅおおおおおお・・・・・・」
「ふんぐぅうううう・・・・・・」
「めっちゃ痛そうだなー?」
竜と茜の2人が足をぶつけた痛みでもだえている横をのんびりと歩きながらウナが落ちてきた落下傘をキャッチする。
先ほど葵が足元に気をつけてと言った矢先に枯れ木に足をぶつけている2人の姿に葵は呆れてため息を吐いていた。
「だから足元に気をつけてって言ったのに・・・・・・」
「けっこうな勢いでぶつけてましたよね」
「あれは絶対に痛いよね」
「ちゅわぁ。木で擦りむいたりしてませんかしら?」
「砂まみれですしお風呂の準備をしておいた方がよさそうですね」
少しだけ痛みから回復したのか竜と茜がよたよたとしながら葵たちの方へと戻ってくる。
その隣ではキャッチした落下傘を興味深そうにウナが見ていた。
「あれをキャッチしたいっていうのは分からなくはないけどこの時間帯にやるっていうのは危なすぎるよね」
「まぁ、その結果があの2人だものね」
「いちおう歩くことができているから折れていたりはしていないみたいですね」
落下傘花火によって上空から落ちてくる落下傘をキャッチしたいという竜と茜の気持ちも分からなくはないために否定をするつもりはないのだが、それでもさすがにここまで暗くなっている状況でやるのは危ないことだと少し考えれば分かること。
葵たちに呆れられながら注意されて小さくなっている竜と茜のことを見ながらイアたちは次にやる花火を手に取っていくのだった。
◇ ◇ ◇
あかりの用意してくれた花火もほとんど終わり、残っている花火の量もごくわずかとなってくる。
そこそこの量の花火が用意してあったはずなのだが、さすがにこの人数でやるとなればそこまで時間も経たずに減っていってしまっていた。
「んー、ラストに全員で線香花火でもやるか」
「花火の締めといえば
「他の花火と違って勢いがあるわけやないんやけど心に残るんよな」
「誰が最後まで残れるか勝負もできるけど。さすがにのんびりとやった方がええわ」
「うん。それがいいよ」
「今日の最後の花火ですからね。ゆっくりと楽しみましょう」
「線香花火の光ってすごくかわいいから好きだなぁ」
最後に残っていた細い紙のひものような花火、線香花火を手に取って竜は提案をする。
線香花火は他の花火たちと違って勢いがあるような花火ではないのだが、その特徴的な火花のはじけ方と落ち着きのある光り方で一定の人気がある花火だ。
また、手持ち花火の最後にやる花火としてもよく選ばれており、最後の花火という寂しさを感じられる花火でもあった。
1本ずつ線香花火を手に取った竜たちはいっせいに火を点け、その可愛らしい光を楽しむのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ