変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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UA20000を越えたので番外話です。

ヤンデレといっても作者のイメージするヤンデレですので好みが分かれるかもしれません。

それでもよろしければ読んでください。

なお、本編のネタバレも含まれますので気をつけてください。





UA20000突破・番外話・ヤンデレあかりエンド

 

 

 

 

 いつものように1日が始まる。

 これは誰にとっても変わることのない不変のこと。

 常に同じように1日が始まり、人それぞれにその日の終わりが来る。

 

 学校の準備を終えた竜はスクールバッグを手に家を出た。

 

 

「竜先輩、おはようございます」

「おう、おはよう。あかり」

 

 

 家の前で出会うのは竜の家の向かい側に引っ越してきた紲星グループの令嬢である紲星あかり。

 竜も最初は戸惑いこそしたものの、今では慣れて普通に一緒に登校までしている。

 

 家の前で少しばかりあかりと話していると、数人分の足音が聞こえてきた。

 

 

「おはようやー!」

「竜くん、あかりちゃん。おはよう」

「2人ともおはようございます」

 

 

 足音の聞こえてきた方に顔を向ければ、そこには茜、葵、ゆかりの3人がいた。

 最近では葵の寝坊も少なくなってきたのか一緒に登校できる回数も増えてきている。

 

 

「おう、今日も葵は起きれたんだな」

「せやね。まぁ、それでも朝は弱いからちょっと大変やけどね」

「お姉ちゃん、シーっ!」

「いや、すでに葵さんが朝に弱いことは分かってるんですから諦めましょうよ」

「茜先輩が見せてくれた動画ではっきり分かってますもんね」

 

 

 竜の言葉に茜は肩をすくめながら答える。

 茜が口走ってしまったことに葵は慌て、茜の口を塞いだ。

 しかしその行動はすでに遅く、茜の言葉を途切れさせることはできなかった。

 さらに続けられたあかりの言葉に葵は固まり、ギギギ、と油の切れた機械のようにぎこちなく首を動かしながら竜たちを見回した。

 

 ちなみに茜の見せた動画というのは葵の寝起き直後の動画で。

 内容としては寝起きでだらしない格好の葵が『あと5分~・・・・・・』やら『ふにゅぇ~・・・・・・』といった言葉をもらしているものとなっている。

 なお、当然ながらだらしない格好ということで肌色の見える範囲は多く、辛うじて下着が見えていないといったレベルのものだったりする。

 もちろん無修正なため男子生徒に見せてしまえばネオアームストロング・サイクロンジェット・アームストロング砲が起動してしまうのは確実だろう。

 

 

「・・・・・・・・・・・・お姉ちゃん?」

「 す ま ん な 」

 

 

 謝る気を感じさせない茜の謝罪に葵は思わず手に持っているスクールバッグを落とした。

 葵から感じられる威圧されるような感覚。

 竜たちは自分たちに向けられているわけでもないのに思わず硬直してしまう。

 

 

      葵 、 キ レ た ! !    

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 下駄箱に着いたあかりは学年が違うために竜たちと別れた。

 ちなみに登校中に起きた琴葉姉妹の喧嘩は葵の勝利と言う形で終わり、茜は葵の好物を3つ作るという約束をさせられていた。

 

 

「あ、あかりさん。おはようございます」

「はい。おはようございます」

 

 

 靴から上履きに履き替え、教室に向かうまでにあかりの同級生たちがあかりに声をかける。

 同級生たちにあかりは笑顔で答えながら思考する。

 

 どうすれば竜と2人だけで登校できるのか。

 いや、どうすれば竜を独占することができるのか。

 

 微笑みながら教室に向かうあかりがそんなことを考えているとは誰も思ってはおらず、微笑むあかりの姿に見惚れる男子生徒たちがそこにはいた。

 

 

「あ、あかりさん!おはようございます!」

「ああ、おはようございます」

 

 

 やや緊張した表情の男子生徒にあかりは微笑みかけながら挨拶を返す。

 間近で微笑まれた男子生徒は顔を赤くしてしまう。

 

 

「えっと、放課後に時間はありますか?!」

「放課後ですか?」

 

 

 顔を赤くしながら男子生徒はあかりに尋ねる。

 男子生徒の言葉にあかりは首をかしげる。

 あかりとしては放課後にはすぐに竜のいる教室へと向かいたいのだが、対外的にもこういった頼みはあまり無視をしない方がいいと考えている。

 どんな用件があるのかは分からないが、正直に言えばあまり時間を取りたくないのがあかりの本音だった。

 

 

「ええ、時間は空いてますよ」

 

 

 竜には連絡して少しだけ待っててもらおうと考え、あかりは男子生徒に答えた。

 あかりの答えに男子生徒は嬉しそうに目を開く。

 

 

「で、でしたら放課後に屋上に来てもらえませんか?」

「屋上ですね。分かりました」

 

 

 放課後に屋上への呼び出し。

 これだけでなんの用件なのかはだいたい察せるとは思うが、あかり自身は不思議そうに首をかしげるだけだった。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 放課後。

 竜は教室であかりを待っていた。

 朝、教室に着いたときにあかりから連絡があり、一緒に帰りたいと書かれていたためだ。

 

 

「竜せんぱ~い、帰りましょー!」

「ん、来たか」

 

 

 教室の扉を開けて入ってきたあかりに竜はスクールバッグを取って立ち上がる。

 茜たちはそれぞれ用事があるとかですでに教室にはおらず、そのまま竜はあかりと一緒に学校を出た。

 ちなみにあかりはちゃんと男子生徒に呼ばれて屋上に行っているが、その男子生徒の用件については触れないでおこう。

 

 

「あ、竜先輩。ちょっと食べ歩きをして帰りませんか?」

「食べ歩き?つっても俺はそこまで金はないからあまり一緒には食えないぞ?」

 

 

 学校から出てしばらく歩いてから、あかりは竜に提案をした。

 あかりの言葉に竜は自分の財布の中身を思い出しながら答える。

 

 

「いえいえ、竜先輩が一緒にいてくれるだけで私は嬉しいですから!」

「・・・・・・また、恥ずかしいことを言うなぁ」

 

 

 ニッコリと微笑みながら言うあかりの言葉に竜は軽く頬を掻く。

 そして、竜とあかりは食べ歩きに向かった。

 

 

「このたい焼きは当たりですね!」

「うん。これは旨いな」

 

 

「この焼き鳥もなかなか・・・・・・」

「へぇ、けっこう種類があるんだな」

 

 

「んむ、んむ・・・・・・。このコロッケとっても美味しいですよ!」

「むぅ、あかりが食べてるのを見てたら俺も食いたくなってきたな・・・・・・」

 

 

 目についた食べ物をあかりはどんどん買って食べていく。

 あかりの家の大きさから考えればどれも安いものばかりなのだが、それでもあかりはとても美味しそうに食べていく。

 美味しそうに食べていくあかりの姿に竜も思わずいくつかの食べ物を買い食いしてしまった。

 

 

「・・・・・・あ、竜先輩。あっちになにか美味しそうな気配がしますよ!行ってみましょう!」

「え?あっちはなにもないだろ?」

 

 

 スンスンと竜の隣で何かしらの香りでも嗅ぎとったのか、あかりは少し薄暗くなっている道を指差しながら言った。

 あかりの指差した先に食べ物関係の店があったかを記憶を辿るが、竜の記憶に該当する店はない。

 あかりは不思議そうに首をかしげる竜の手を掴むとずんずんと歩き始めてしまった。

 薄暗い道ということで後輩のそれも女の子を先に行かせるわけにはいかず、竜はあかりの前に移動して薄暗い道を歩き始めた。

 

 

「本当にこの先に行くのか?」

「もちろんです!」

 

 

 薄暗く、先の方が見にくい道を歩きながら竜は後ろを歩くあかりに声をかける。

 竜の言葉にあかりは元気に答えた。

 それから、竜とあかりはしばらく薄暗い道を歩き続けた。

 

 

「・・・・・・本当にこの先になにかあるのか?」

 

 

 しばらく歩き続けたのだが、なにか店が現れる気配もまったくなく。

 竜は不安を感じてあかりに声をかける。

 しかし、あかりの声が聞こえず、竜は驚いて振り返ろうとした。

 

 

「おい、あか・・・・・・むぐぅっ?!?!」

 

 

 

 

                   「わぁ」

 

 

 背後にいるはずのあかりの方へと振り返ろうとした竜だったが、ヌルリとした感触のなにかに飲み込まれ、呼吸ができなくなって意識を失ってしまった。

 意識を失う直前、竜の耳に聞き覚えのある声が聞こえたような気がした。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 ギヂリッ・・・・・・────

 

 真っ暗な闇の中。

 火花が散るような痛みに竜の意識は覚醒した。

 

 どうやら布団の上で横になっているようで、体を起こそうとしたが両手両足が固定されていて起き上がることができなかった。

 

 ブヂィッ・・・・・・────

 

 

「いぎぃっ?!?!」

 

 

 2回目の火花が散るような痛み。

 竜は思わず苦悶の声をあげる。

 

 ぼんやりと薄暗い部屋の中。

 2回目の痛みで気づくことができたが、固定されている右腕に誰かが噛みついているらしいということが分かった。

 

 

「だ、誰だ?」

「ん・・・・・・、はぁ、れるぉ・・・・・・、せんぱぁい、美味しいですよぉ・・・・・・」

 

 

 腕の痛みをこらえながら竜は右腕の誰かに声をかける。

 竜が声をかけると、竜の腕に噛みついていた人影は噛みキズからにじんだ血を舐めとって竜の目の前へと移動してきた。

 

 竜の腕から目の前に移動してきた人影、その正体に竜は目を見開いた。

 

 

「あ、あかり・・・・・・?」

 

 

 先ほど竜の腕に血がにじむほど噛みついた人影。

 その正体は紲星あかりだった。

 

 竜の意識が戻ったことを理解したあかりは口の端についた竜の血を舐めとると、優しく竜の頬を撫でた。

 

 

「おはようございます。竜先輩」

「これはどういうことなんだ?!」

 

 

 竜の言葉を無視してあかりはさわさわと竜の頬を撫でていた手を竜の胸元に移動させた。

 あかりの手が動くたびにくすぐったさで竜は体をピクリと動かす。

 

 

「竜先輩が悪いんですよ?こんなに美味しそうな香りをしてるからっ!」

「んん、あか・・・・・・────っづぁ?!」

 

 

 スンスンと竜の顔の横にあかりは顔を近づけた。

 あかりの顔が近づいたことによって髪の毛が触れ、くすぐったくなっていた竜だったが、肩に走った痛みに声をあげる。

 肩の感覚からあかりが肩に噛みついているのだということを理解した竜はどうにかしてあかりを引き剥がそうとするが、手足が拘束されていることによってそれは叶わない。

 

 

「はぁ・・・・・・、やっぱり素敵ぃ・・・・・・」

 

 

 ヌルリ、と噛みつかれたところをあかりの舌が這う。

 噛みつかれたことによってできた傷口にあかりの舌が這い、チリチリとした痛みに竜は顔をしかめた。

 竜の首から顔を離し、あかりは竜の顔を両手で挟んで正面から見つめる。

 

 

「本当は先輩の全部を・・・・・・、血も肉も骨も、髪の毛一本すら残さず全部全部食べたいんですよ?でも、私は理性のある賢い人間ですから、そんなことはしないんです。たしかに食べてしまえば先輩と一緒になることができます。でも、それは少しの間だけ・・・・・・。そんなひとときも素敵だとは思うんですけど、そんな刹那的なものは勿体ないと思うわけなんですよ。そこで私は考えて、思いついたんです。“先輩を閉じ込めて食べたくなったらかじれば良いんだ”って。そうすれば死ぬまでずーーっと先輩の味を楽しめますから。ね?良い考えだと思いますよね?」

 

 

 竜の顔をまっすぐに見つめながらあかりは途切れることなく言葉を続けた。

 暗く、光の見えないあかりの目を正面から見てしまい、竜は恐怖する。

 

 

「・・・・・・あら?・・・・・・ふふふ、先輩ったらもしかして喜んでくれたんですか?こんなことになっちゃってますよ?」

「ち、ちが・・・・・・」

 

 

 生物が死を悟ったとき。

 自身の種を残そうと反応してしまうことがある。

 

 あかりへの恐怖のあまり自身の死を見てしまった竜の体の反応にあかりは嬉しそうに手を這わせた。

 

 

「だぁいじょうぶですよ。ちゃぁんとこっちも食べてあげますから。上の口でも・・・・・・もちろん、下の口でも、ね?」

 

 

 圧倒的なる捕食者の目。

 その目を竜に向けながらあかりは1枚、また1枚と服を脱いでいく。

 捕食者の目を向けられた竜は、あかりが服を脱いでいくことにすら気をやれぬまま体を震わせる。

 

 

 

 もはや逃げることは叶わないのだろう。

 

 

 

 声も、音も、その部屋からそれらが一切漏れることはないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ほぼ1ヶ月で20000にいくとは思ってなかったです・・・・・・

これも読んでくださっている読者のお陰です。

ありがとうございます。

誰のヤンデレが読みたいですか? その3

  • 琴葉茜
  • 琴葉葵
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