1話につき1武器になっております
それだけ説明が長くなってしまうので、すみません。
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文句あり気な茜のことを流してゆかりは軽く咳払いをする。
茜もいつまでも怒っていては話が進まないと思ったのか、席に座って紅茶を口に運んだ。
「んん、では次は私ですね。そうですね、私が使うのは太刀と弓なわけですし、弓は私が説明しても大丈夫ですか?」
「そうだな。俺も使うけど2回も説明するのは無駄だろうし、俺の意見も間に入れていく形で良いだろ」
太刀に関してはこの4人の中ではゆかりしかいないのだが、弓に関しては竜も使っている。
竜の言うように2回も話をする必要性は無いのでゆかりと同時に話した方が手軽だろう。
「ではまずは・・・・・・、太刀の方から話していきましょう。太刀は広めの攻撃範囲とやや高めの攻撃力を持った武器ですね。攻撃の速度も早めですしかなり使いやすい武器と言えるでしょう」
「これも使いやすいの?」
ゆかりの説明にマキは首をかしげる。
茜もヘビィボウガンについて簡単な操作と言っていただけに混乱しているようだ。
「あー、とりあえず使いやすいってのは深く考えないで良いぞ。結局は使っている人間が使いやすいって言ってるだけだから。人によっては使いにくいっていう意見もあったりするし」
「そうなの?」
「まぁ、そうですね。えっと、太刀には見切りという回避からの攻撃をする技があります。これは基本的にほとんどの技を避けることが可能で、使いこなせればダメージをほとんど受けることなくモンスターに勝つことができるようになります」
混乱しているマキに竜は助け船を出す。
どの武器が強い。
どの武器が使いやすい。
こう言った考えは結局のところ操作するプレイヤーによって変わってくるもの。
そのため使いやすい武器は自分で使ってみるまで分からないものなのだ。
「そして太刀には気刃兜割りという大技もあるんです。これはジャンプしてモンスターの上から斬りかかって大ダメージを与える強い技なんです。あとは居合斬りもありますがこちらは慣れてからで問題はないでしょう。太刀の良い点に関してはこんなものでしょうか」
「確かに始めてすぐに覚えるのはややこしいかもな」
「なのでこれらはマキさんが太刀を使うことになってから教えることにしましょう」
太刀のアクションの1つ、特殊納刀とそれから派生する居合抜刀斬りと気刃居合抜刀斬り。
これらも覚えて扱うことができれば太刀の扱いは万全だろうが、初心者にそこまでを求めるのは酷なもの。
それが分かっているのでゆかりは特殊納刀などの説明を省いた。
「では次は太刀の悪い点です。太刀の悪い点は大まかに言って2点。太刀専用のゲージ、練気ゲージを赤に保たないと最高火力が出ない点。そして、マルチでプレイすると味方を思いきり攻撃して怯ませてしまう点です」
太刀には練気ゲージと呼ばれる専用のゲージがあり、これを溜めて強力な攻撃を放つ。
この練気ゲージの維持こそが太刀使いの上手さに直結するのだ。
また、マルチプレイでは攻撃範囲の広さのせいで味方にも攻撃が当たって怯ませて攻撃を止めてしまうなどの事故がたまに起きることもある。
「練気ゲージに関しては慣れるしかないとしか言えないですね。そして味方を攻撃してしまうということに関しては近くに味方がいないところを攻撃すれば問題はないはずです」
「まぁ、操虫棍なら基本的に関係はないんだけどな。耐衝3は積んでるはずだし」
「3つで耳栓に耐震、風圧耐性が3も付くんやもんな」
竜の言う耐衝とは怯み軽減スキルのことを指しており。
このスキルを着けていると尻餅や怯みをなくしてくれるのだ。
そしてこのスキルには操虫棍専用の追加効果があり、快適に操虫棍をプレイしたい人ならほとんどの人が着けているだろう。
「とまぁ、太刀の説明はこんなところですね」
「細かいことに関しては太刀に触れたときで問題ないだろうしな」
ゆかりの言葉に竜は頷き、マキもメモを見返す。
マキがメモを見返すのを終え、ゆかりは次の武器の説明のために紅茶を飲んで口を潤すのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ