書く暇がなかなか取れないのが厳しいところです。
素早く書ければ書く時間も少なくて済むんですけどねー。
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薬品の香りが鼻に届く。
嗅ぎ慣れてきている香りと体の下にある少し硬いような柔らかいような感覚を受けながら竜の意識は戻る。
ぼんやりと目を開けた竜はいま自分がいるのが保健室だということに気がつき、どうして自分が保健室のベッドに横になっているのかを思い返す。
なにがあったのかを思い返した竜は、意識を失う直前の顔を真っ赤にしたマキの顔と、マキの柔らかな感触と窒息しそうな息苦しさをハッキリと思い出した。
意識を失う前のことを思い出した竜が最初に思ったこと。
それは、やはりいつもよりも“なにか”がおかしいということ。
その“なにか”がなんなのかはハッキリとは分からないのだが、それでも普段であればここまで露骨なほどにハプニングなどは起こらないだろう。
だからこそ竜は朝の“件”がすべての原因なのではないかと仮定することにしておいた。
「ちゅわぁ。まさか朝から保健室に運ばれてくるのは驚きでしたわねぇ・・・・・・」
「せやね。ところでイタコは“件”に関してなにか知っとることってないん?」
目を覚ました竜の耳に聞こえてきたのは少し離れた位置にいるであろうイタコ先生とついなの話声。
竜が寝ていたベッドの周囲にはカーテンが広げられていたので2人は竜が起きたことにまだ気がついていないのだろう。
「ん・・・・・・、“件”でしたか。一応は文献としては知っておりますが、私自身は遭遇したことがないので詳しいことはいまいちですわねぇ。ただ、竜くんは気づいていないようですがうっすらと霊力のようなものがついているようには感じますわね。といっても本当にかすかにしか感じ取れていないのですけど・・・・・・」
「そうなんか。でもなにかがご主人についとるならそれが原因でご主人はこんなことになっとるのかもしれんなぁ」
ついなの質問にイタコ先生は淹れていたのであろうお茶を飲んで答える。
どうやらイタコ先生も“件”に関してはあまり詳細なことは知らないようで、分かったことと言えば竜になにか霊力のようなものがついているということだけだった。
聞こえてきたイタコ先生とついなの会話を聞きながら竜は布団から起き上がる。
意識を失っていたということだったが特に違和感を感じるようなこともなく、なんの問題もなさそうだ。
「あら、どうやら起きたようで・・・・・・あっついですわぁっ?!」
「あーもー、なにをしとるん・・・・・・あ」
「え・・・・・・」
竜が起き上がった音が聞こえたのか、イタコ先生は手に持っていた湯飲みをテーブルの上に置こうとする。
しかし竜が寝ているベッドの方を見ていたために手が滑ったのか湯飲みが倒れてしまい、中に入っていた熱いお茶を穿いているスカートの部分にこぼしてしまう。
あまりの熱さにイタコ先生は驚いて声をあげ、慌ててやけどをしないように濡れたスカートに手をかけた。
そんなイタコ先生の様子についなは呆れたような声をあげながら濡れているところを拭こうとハンカチを差し出す。
そして、熱いお茶で濡れてやけどをしてしまわないようにイタコ先生がスカートを脱いだのと、竜がベッドの周囲にあるカーテンの中から出てきたのはほぼ同じタイミングだった。
お茶の熱さのあまりに思わず反射的に行動してスカートを脱いでしまったイタコ先生と、カーテンから出た直後にスカートを脱いだイタコ先生の姿を見てしまった竜。
2人はいきなりの状況に思わず固まってしまう。
「ちゅ、ちゅわぁああああああっっ?!?!」
「こーーんっ?!?!」
「ご、ごめんなさ――――――――へぶぅっ?!」
2人が固まって数秒が経過し、ようやく状況を理解できたイタコ先生は悲鳴を上げながら自分の中からキツネを引っ張り出し、竜へと思い切り投げつけた。
いきなり竜に向かって投げつけられたことにより、キツネも大きく悲鳴のような鳴き声をあげながら竜の顔面へと直撃する。
イタコ先生のあられもない姿を見てしまった竜は謝ろうとし、直後に顔面にキツネを受けてしまう。
竜の顔面へと投げつけられたキツネは不満そうではあったのだが、すぐに自分が竜の顔にぶつかったのだということに気がつくと、ひっしとしがみつく。
そして、キツネが竜の顔面にはりついている間にイタコ先生は大慌てで買えの服を着るのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ