変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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のんびりと続きを書いています~

とりあえずようやく件は終わりました






第605話

 

 

 

 

 まるでぼろ雑巾のように打ち捨てられ、ビクンビクンと体を震わせている物体をしり目に女顔の件、姉件は申し訳なさそうに頭を下げる。

 どうやら本人……、というよりも本件としても間違った予言を伝えてしまったことに対して申し訳なさがあったようだ。

 

 そのしぐさとは裏腹にあまりに苛烈な男顔の件に対する折檻の様子に竜たちは軽く引いてしまっていたのだが。

 

 

「本当に申し訳なかったねぇ。いつもならもう少し分かりやすい予言だったのにイヤにかっこつけしい文面だったのが気になっていたのさ。そしたらこの馬鹿弟が予言を伝えた相手に隠れながらついて行ってるじゃないか」

「うごふっ?!」

 

 

 頭を下げながら姉件はどういった経緯でここに来たのかを答える。

 どうやら姉件としても朝に伝えた予言の内容が気になるものだったようで、疑問に思いながら弟件の様子を不審に思って見張っていたようだ。

 

 答えながら姉件はぼろ雑巾、弟件の腹部を前足で思い切り踏みつける。

 

 

「さて、私の方としても十分に締めたわけだけど……、どうする?あんたらも迷惑を被ったわけだし何発か入れとくかい?」

「い、いや、あんたがそこまでやってくれたからもう十分かな……」

「そうかい……、ふんっ!」

「むぎゅうっ?!」

 

 

 弟件が逃げ出さないようにするためか強く頭を踏みつけながら姉件は竜たちに尋ねる。

 竜たちとしてももともとはなにかしら攻撃をするつもりではあったのだが、姉件のすさまじい折檻の様子からもはやその気も薄れており、むしろそこまでやって無事でいる弟件の様子に引いてすらいた。

 

 竜の言葉を聞き、姉件は再度弟件を睨みつけてその顔面に思い切り前足を叩きつける。

 姉件の一撃は弟件の顔面に思い切り突き刺さると勢いはそのままに地面のコンクリートにまで罅を入れてしまう。

 それほどまでの一撃を受けてなお弟件の顔面は原形を保っており、なんだったらギャグマンガのように“前が見えねぇ”程度の状態にしか見えなかった。

 

 

「あそこまでされてあの程度のダメージにしかなっていないと考えると、さすがにふざけたことは言っていましたが件なだけはありますか……」

「俺は軽く調べただけだからそこまで詳しくないが、そんなに強力な妖怪なのか?」

 

 

 姉件によってズタボロにされながらも生命活動的には何の問題もなさそうな弟件の様子にきりたんは呆れながらも少しだけ恐れ交じりの声を漏らす。

 きりたんの言葉に件についてあまり知らない竜は首をかしげながら尋ねる。

 

 

「そうですね。そもそもとして未来について予言をするという行為自体がかなり力がないとできない事柄ですので。あれですよ、F●Oで言うところのグランドクラスで千里眼で未来視してる感じなので」

「あー、ね……」

 

 

 首をかしげる竜にきりたんは簡単に件がどれほどに強力な妖怪なのかを答える。

 

 本来、普通の妖怪程度では未来を観測することなどは不可能な事柄であり、それらを観測することができる能力があるということはそれだけで強力な妖怪であるということの証明なのだ。

 まぁ未来が見えるという触れ込みのものは多々あるのだが、そのどれもが悪い未来を見るようなものばかりであり、観測してしまったばかりにその悪い未来に進んでしまうこともあるのだが。

 

 それらを無視して件の予言にはその未来を回避する手段を知る手筈があるのだ、そういった点でも件は他の未来を知るなにかしらよりも強い存在であるという証明にもなるだろう。

 

 

「それじゃあ、私らはここらでお(いとま)させてもらうよ。ほれ、さっさと帰るよ」

「うごっふ……。な、なんも見えねぇ……。ぐふぅっ……」

 

 

 そして、もう一度頭を下げてから姉件は弟件の身体を蹴り飛ばしながら帰っていった。

 その際に弟件が何度もうめき声をあげていたが気にしなくても良いだろう。

 

 

「とりあえず……、帰るか」

「せ、せやね……」

「なんというか、疲れましたね……」

「んぅ?なんかよく分かんないけど終わったのか?」

 

 

 消えていった件兄弟の姿に竜たちはドッときた疲れに肩を落としながらため息を吐く。

 そんな竜たちの姿に件の姿が見えていなかったウナは不思議そうに首をかしげていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝

 

 

「よぉ。またあんたに予言を教えに来たよ」

「いや、もう予言は大丈夫です」

 

 

 前回のときとはうって変わってかなりフランクに予言を伝えに来た姉件に竜は腕で大きくバツを作りながら予言を聞くことを断るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ
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